「シャザム!」@シネマサンシャイン平和島

 公開3日目。2D吹き替え版。シアター6の客入りは15名位と惨憺たる状況である。
   


映画の話
 身寄りがなく里親のもとを転々としてきた少年ビリーはある日、謎の魔術師からスーパーパワーを与えられ、「S=ソロモンの知力」「H=ヘラクラスの強さ」「A=アトラスのスタミナ」「Z=ゼウスのパワー」「A=アキレスの勇気」「M=マーキューリーの飛行力」という6つの力をあわせもつヒーロー「シャザム(SHAZAM)」に変身できるようになる。筋骨隆々で稲妻を発することができるが、外見は中年のシャザムに変身したビリーは、ヒーローオタクの悪友フレディと一緒にスーパーマン顔負けの力をあちこちで試してまわり、悪ノリ全開で遊んでいた・・・。

   映画の感想
 まず上映時間132分は長い。最近のアメコミヒーロー物全般に言えるが「上映時間が長ければいい」とは限らない。本作の場合、もう少し刈り込み2時間以内に収める事でテンポアップして楽しめたと思う。まぁ、本作はヒーローの誕生篇なので、どうしても人物紹介や説明的なシーンが必要なために2時間越えしてしまったのだろう。かと言ってつまらないわけではない、かなり楽しい作品だ。

 物語は孤独な少年の学園物と、コミカルなヒーロー物が合体した、最近のヒーロー物の中でも一番リラックスして楽しめる。ちょうどヒーローの誕生を描いたリチャード・ドナー監督版「スーパーマン

をかなり意識した様な作風であり、学園物+ヒーロー物と言えば「スパイダーマン」シリーズに近いかもしれない。

 しかし前時代の「スーパーマン」は新聞社を舞台に、新聞報道やテレビ報道で有名になったが、本作のシャザムは自ら超人パワーを披露した動画を撮影してyoutubeにアップロードするという形で、他者にアプローチしていくあたりが現代的である。

 シャザムは自分のパワーを小出しにひけらかして無駄遣いしている途中で、高架を走行中のバスにそのパワーが命中してしまい、橋から落下寸前のバスを救出するという、自作自演の様な形で有名となり街のヒーローとなる。このシーンも「スーパーマン」(78)をパロディにしたような描写である。

 そして、ヒーロー物のお約束となる敵対するヴィランが登場する。ドクター・シヴァナ(マーク・ストロング)だ。子供のころにピーターと同じ魔術師と出会うが、彼の心を魔術師に見透かされ、超人的パワーをもらえなかった屈折したキャラクターだ。しかし、彼はその後もパワーの魅力に取りつかれ、中年となり魔術師のいる宮殿で悪の力を手に入れる。

   以下ネタバレ注意

 物語の中盤~後半は中身は、少年の未熟なヒーローと、強力なおじさんヴィランとのバトルは「スパイダーマン」的な展開であり、後半の遊園地を舞台にしたバトルは意外な展開が待っている。強力なおじさんヴィランとそのしもべと化したクリーチャー軍団に太刀打ちできなくなったシャザムに強力な助っ人が登場する。ピーターと一緒に暮らす孤児たちもシャザムに変身して敵と戦うサプライズが待ち受けていた。このシーンは予想外な展開で感動してしまった。

 本作で何気に良かった所は、ヒーローの活躍シーンの背景に、多くの市民たちの姿が描写されていた。これはヒーロー物として鉄壁な描写で、ヒーローの活躍を見た市民たちのリアクションがあってこそヒーローが際立つのだ。

 物語全体を見ると、変身前の少年と変身した大人のシャザム姿のギャップに違和感がつきまとい、最後までしっくりこなかった。この辺が作品への評価への分かれ目であろう。作品全体の出来も決して悪くない。しかし、日本では知名度の低いシャザム役ザッカリー・リーヴァイと渋めなマーク・ストロングでは集客が望めなかったのだろう。

 監督はなんと「ライト/オフ

アナべル 死霊人形の誕生

デヴィッド・F・サンドバーグである。ホラー畑から一転、アメコミヒーローという大型ガジェット映画を任されるまで出世をした。個人的に先の二本がイマイチだっただけに、畑違いのジャンルで新たな手腕発揮した侮れない監督だ。

   吹き替え版について
 福田雄一監督が吹き替えの演出を担当していて、鑑賞前は不安であったが、ふたを開ければ脱線することなく、無難な仕上がりで一安心した。劇中、魔術師シャザム(ジャイモン・フンスー)がその容姿から「私はホームレスではないぞ!」とピーターに言うシーンは爆笑してしまった。ただ、菅田将暉の声が若すぎて、全然シャザムに合っていなかった事が残念だ。もっと大人の声優を使うべきであった。

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  • シャザム!

    Excerpt: 身寄りのない少年ビリーは、魔術師からスーパーパワーをもらう。 「シャザム!」という魔法の言葉を唱えると、筋肉ムッキムキのスーパーヒーローに変身できるのだ。 しかし、見た目はオトナでも中身はコドモのまま.. Weblog: 象のロケット racked: 2019-05-02 12:02