「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」@109シネマズ川崎

 公開初日。2D字幕版を上映するシアター4の客年齢は高め、6~7割位の客入りだ。
   
   映画の話
 盗まれたプルトニウムを用いて、三つの都市を標的にした同時核爆発の計画が進められていることが判明する。核爆発阻止のミッションを下されたイーサン・ハント(トム・クルーズ)率いるIMFチームは、犯人の手掛かりが名前だけという困難を強いられる。タイムリミットが刻一刻と迫る中、イーサンの行動に不信感を抱くCIAが放った敏腕エージェントのウォーカー(ヘンリー・カヴィル)が現れる。

   映画の感想
 話が判り辛い事が難点だが、素晴らしいアクションシーンの連続に大興奮した。シリーズ初見の方にはまったくお勧めできないが、シリーズを通して見てきたファンにはたまらない展開がまっている。

   以下ネタバレ注意

 まず、オープニングタイトルにミシェル・モナハンの名前を出す事で、いきなりネタバレした事が残念だ。出来れば何も知らずジュリアが登場したら面白かったと思うが、今の私の記憶力ではモナハンの顔を見ても思い出さないかもしれない。その為にも「M:I:Ⅲ

の復習は必要かもしれない。

 さて難解な物語だが、ミッション自体は非常にシンプルで「盗まれたプルトニウムを奪還する」と言う物だが、そこまで行くプロセスが非常に複雑で、色々な人物を介した回りくどい方法を使ったミッションなので、私の様なボンクラには難解に感じた。この辺は脚本家出身のクリストファー・マッカリーらしい、ミッションのプロセスをセリフで説明する描き方がまずい訳で、護送車からターゲットを奪う時の様に、デモ映像を使えば良かったと思う。

 まぁ、それにしても本作のアクションは素晴らしすぎる。何と言っても今回はイーサンのチームにCIAから監視役として同行するオスカー役に「マン・オブ・スティール

でスーパーマン役を演じたヘンリー・ガヴィルがいるのだがら鬼に金棒状態だ。「でも、なんか怪しいぞ」と思って見ていたら「まさか!」と言う展開に発展する。そう。本作は何度となくスパイ同士の騙し合いが気持ちいい位に描かれているのだ。流石に脚本家出身の監督ならではの騙しのテクニックが冴え、スパイ映画の醍醐味を感じた。

 そして、本作のアクションシーンは、今後のアクション映画のハードルを一気に引き上げた。スカイダイビング、トイレでの接近戦、カーアクション、バイクアクション、トムの全速力アクションからビルからビルに飛び移る荒業まで、トム本人がノースタントで演じているのだから文句の付けようがない。もう、ジャッキー・チェンでさえ、スタントマンを多用しているのに、トムのアクションに対する本気度には頭が下がる思いである。

 クライマックスの詳細は避けるが、本作でイーサンの心の影も描かれていた。冒頭や移動中の車の中の悪夢を見ると、イーサンは数々のミッションを行った事で、PTSDの様な心の病魔に犯されているのかもしれない。特に罪のない警察官を殺める事への思いが強く、そのアンサーとして描かれる婦人警官のシーンは地味ながら、彼の心の葛藤を上手く描いた良いシーンだ。そんなイーサンの心の支えとなったジュリアを再登場させた事は、彼の心が安どの場所を求めていると共に、シリーズの終焉を暗示させる物かもしれない。

 私の中ではトム作品の専属監督の様なポジションにいたクリストファー・マッカリー監督だが、本作を見ると監督としての腕を上げた。真っ白いトイレの空間が真っ赤な血に染まるシーンや、シンメトリーな画面構図など、どこかキューブリック的な哲学をも感じさせる演出もあり、同じ名前を持つ監督クリストファー・ノーランを脅かす存在まで成長した様に感じた作品だ。

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