「スポットライト 世紀のスクープ」@スペースFS汐留
J-WAVEさん主催の試写会で、映画上映前に「PARADISO」のDJ板井麻衣子と、映画コーナー担当の大倉眞一郎氏の舞台挨拶があった。客入りは満席だ。


映画の話
2002年、ウォルター(マイケル・キートン)やマイク(マーク・ラファロ)たちのチームは、「The Boston Globe」で連載コーナーを担当していた。ある日、彼らはこれまでうやむやにされてきた、神父による児童への性的虐待の真相について調査を開始する。カトリック教徒が多いボストンでは彼らの行為はタブーだったが……。
映画の感想
本年度アカデミー賞作品賞、脚本賞受賞作と言う事で期待して見た。作品はボストンの新聞社がカトリック教会で起こった児童性虐待事件を、暴き出す過程を記者たちの視点で描いた実話を基にした作品だ。
その為に事件の概要は記者たちの取材を通して判った事が全てセリフで語られる作風となっているので、事件を知らない日本人にはかなり判り辛い作品となってしまった。
多分、本国アメリカでは有名なスキャンダル事件として知られている為か、作品は「観客は事件を知っている」前提で作られているので、我々日本人は漠然と記者たちの取材活動を通して、脳内変換して事件の全体像をつかむ事しか出来ない。まるで暗中模索で映画と対峙する事になる。
作品冒頭に1976年の神父の児童虐待事件が隠ぺいされるシーンがあるが、この様なシーンを随所に挿入する事で、作品の理解度は格段に上がったと思う。実在の事件を扱った作品は多くあるが、事件の概要を多角的に描く手法がある。「JFK」
はケネディ大統領暗殺事件を、映画独自の推論を含め独自の手法で事件と対峙した力作であるが、本作は台詞のみで事件を説明するので頭に入ってこない。
ここは取材で分かった事を映像として再現する事が、万人に物事を伝えるやり方としてベストだと思うが、作家は「観客は判っている」前提で作っているので、そんな親切な映像を描く事はしない。更にカトリック教会側もほとんど描かれない事も困ったものだ。
淡々と進む物語の幕引きは静かな感動と言える描写で暗転する。丁度「フィールド・オブ・ドリームス」と共通するアメリカ人が好きなラストカットであろう。映画上映前のコメントで大倉氏が本作のアカデミー賞作品賞受章を「意外だった」と言うように、本作は完全にアメリカ人観客をターゲットにした地域限定だったのではないだろうか?アカデミー賞選考員も本作の作品賞受章は、事件を掘り起した記者たちの功績を含めた受章だったように思う。
本作は事件について予備知識を頭に叩き込み、過度の期待をしないで見る事が正しい鑑賞方法と思う。
映画の話
2002年、ウォルター(マイケル・キートン)やマイク(マーク・ラファロ)たちのチームは、「The Boston Globe」で連載コーナーを担当していた。ある日、彼らはこれまでうやむやにされてきた、神父による児童への性的虐待の真相について調査を開始する。カトリック教徒が多いボストンでは彼らの行為はタブーだったが……。
映画の感想
本年度アカデミー賞作品賞、脚本賞受賞作と言う事で期待して見た。作品はボストンの新聞社がカトリック教会で起こった児童性虐待事件を、暴き出す過程を記者たちの視点で描いた実話を基にした作品だ。
その為に事件の概要は記者たちの取材を通して判った事が全てセリフで語られる作風となっているので、事件を知らない日本人にはかなり判り辛い作品となってしまった。
多分、本国アメリカでは有名なスキャンダル事件として知られている為か、作品は「観客は事件を知っている」前提で作られているので、我々日本人は漠然と記者たちの取材活動を通して、脳内変換して事件の全体像をつかむ事しか出来ない。まるで暗中模索で映画と対峙する事になる。
作品冒頭に1976年の神父の児童虐待事件が隠ぺいされるシーンがあるが、この様なシーンを随所に挿入する事で、作品の理解度は格段に上がったと思う。実在の事件を扱った作品は多くあるが、事件の概要を多角的に描く手法がある。「JFK」
ここは取材で分かった事を映像として再現する事が、万人に物事を伝えるやり方としてベストだと思うが、作家は「観客は判っている」前提で作っているので、そんな親切な映像を描く事はしない。更にカトリック教会側もほとんど描かれない事も困ったものだ。
淡々と進む物語の幕引きは静かな感動と言える描写で暗転する。丁度「フィールド・オブ・ドリームス」と共通するアメリカ人が好きなラストカットであろう。映画上映前のコメントで大倉氏が本作のアカデミー賞作品賞受章を「意外だった」と言うように、本作は完全にアメリカ人観客をターゲットにした地域限定だったのではないだろうか?アカデミー賞選考員も本作の作品賞受章は、事件を掘り起した記者たちの功績を含めた受章だったように思う。
本作は事件について予備知識を頭に叩き込み、過度の期待をしないで見る事が正しい鑑賞方法と思う。
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