映画「WOOD JOB! 神去なあなあ日常」@東宝試写室

 映画レビューサイトCOCOさんのユーザーを招いた独占試写会だ。客入りは9割位である。




  映画の話
 大学受験に失敗し高校卒業後の進路も決まっていない勇気(染谷将太)は、軽い気持ちで1年間の林業研修プログラムに参加することに。向かった先は、携帯電話が圏外になるほどの山奥のド田舎。粗野な先輩ヨキ(伊藤英明)のしごき、虫やヘビの出現、過酷な林業の現場に耐え切れず、逃げようとする勇気だったが……。

   映画の感想
 「ウォーターボーイズ」、「スウィングガールズ」ら、若者が何かに挑み、成し遂げる姿を描く作品が得意な矢口史靖監督が次に選んだ題材が「林業」だ。かなり地味な職業であるが矢口監督ならではの着眼点である。主人公は大学受験に失敗した勇気だ。役を演じるのは「ヒミズ」の染谷将太だ。この役が10年位前なら妻夫木聡が演じていた様な役だ。映画の中で勇気が生活圏にしている町名は不明であるが冒頭、勇気が商店街で林業研修プログラムのパンフレットを発見するロケ地は、川崎の商店街・銀柳街だ。勇気は何気なく手にしたパンフレットの表紙に写る美女(長澤まさみ)の写真に惹かれ、下心丸出しで林業を選んでしまう。

 安易な切っ掛けで林業を選んだ勇気。そんな勇気が思うほど林業は楽ではない。現代社会と隔絶された山奥の村に到着した勇気に作家は早速試練を与える。現代人に必要不可欠な携帯電話を水没事故で使用不可能にさせてしまう。ここからは都会から来た田舎に来た主人公のカルチャーギャップを交えながら、一年間の研修プログラムがスタートする。林業をなめてかかる勇気は早速、講師に来た先輩ヨキ(伊藤英明)に目を付けられて酷い目にあう。プログラムは研修所から実地研修に変わり、勇気が配属されるのがヨキが務める中村林業だった・・・。

 作品は都会から来た若者が一年間林業に携わり成長する物語であるが、矢口作品だけに一筋縄ではいかない弾けた展開だ。まず本作の成功は俳優自らがノースタントで高い木を登り、バカでかい木を切り落とす。この辺の描写はゼロから始まり、課題をこなし達成する「ウォーターボーイズ」や「スウィングガールズ」と共通する矢口監督らしい演出である。物語は林業と並行して勇気を林業に導いたパンフレットの美女・直紀とのロマンスも描かれるのだが、なんと長澤まさみまでもがノースタントで、山道をオフロードバイクを走らせる離れ業をこなしているのもGOODだ。

   以下ネタバレ注意

 林業舐めていた勇気の成長は、都会から来た勇気の彼女と仲間たちの前で明らかになる。勇気が最初にヨキに怒られたように、林業を舐めた都会っ子たちを勇気が怒鳴りつける。物語冒頭と中盤で対比される勇気の行動に思わずホロりとしてしまう。物語は山で行方不明になった子供のエピソードをファンタジックに描きつつ、クライマックスは一転「何時の間に作られたんだ!」と突っ込みを入れたくなる巨大な設備を使い、山奥の伝統行事が待ち受けている。子宝を祈る巨大な大木が山頂にかまえ、山下に待ち受ける巨大な縄で作られた楕円形の輪っかに目指して落下する。大木と縄の輪っかは、明らかに男女のアレである。

 このシーンで注目は抱腹絶倒の大木落下の特撮だ。材木を並べてジェットコースター状に作られたレールの上を、大木が猛スピードで落下する。一見、簡単なシーンであるが、大木の縄に足が絡まり勇気が大木に乗り落下するのだ。このシーンを作り出したのが特撮監督・佛田洋だ。佛田は東映の戦隊シリーズや仮面ライダーシリーズの特撮や、映画「男たちの大和/YAMATO」(06)など、東映作品の特撮には欠かせない人物だ。そんな佛田洋を矢口監督のハッピーフライト」に続き、特撮監督に招き作り出した素晴らしい特撮は大注目である。

 原作通りのクライマックスなのかは不明であるが、「ウォーターボーイズ」や「スウィングガールズ」みたいに、目的に向かい練習に練習を積み重ね完成系を披露して感動させた矢口監督であるが、本作では林業の完成系を見せる訳もできず、爆笑の村の伝統行事に着地させた点に何か吹っ切れた印象を受けた。物語も完結させず未来を予感させる幕引きも心地よい。先のヒット作の様な派手さは無いものの、伊藤英明、長澤まさみ、優香、西田尚美、光石研、柄本明ら助演の好演も手伝い、地味ながら楽しい作品に仕上がった。

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