「小さな恋のうた」@新宿バルト9

世界最速完成披露試写会」。客入りはたぶん満席位。若い女性客が多い。映画上映後、監督とキャストの舞台挨拶が行われた。

   
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 本作は「モンゴル800」の楽曲を基に映画化した作品で、題名は「小さな恋のうた」としか判らず、キャストもスタッフも一切明かされぬ、極めて特殊な試写会だ。まるでスニークプレビューみたいな半覆面試写会である。

 試写会場はこの劇場で一番大きいシアター9だ。観客はほぼ若い女性ばかりで、私は浮いた存在の中、映画上映を待ち構えた。いつも通りに「映画泥棒」の警告映像に小さな笑いが起こり、おなじみの「東映」のロゴマークの後に本編が始まる。

 キャストの名前が一人づつ画面に浮かび上がると劇場内は悲鳴に近い歓声が沸き上がる。まるでライブ会場の様な中、タイトル「小さな恋のうた」が映ると拍手喝采だ。ちょうど今流行りの「応援上映」はこんな鑑賞スタイルなのか?

 まだ劇場内はザワザワが収まらない状態で本編がスタートして、不安な気持ちになるが、自然に静かになり、映画に集中できる環境に落ち着いた。

   映画の感想

 物語は沖縄の高校を舞台に、バンド活動を謳歌する男子4人組がレコード会社の目に留まり、東京デビューが目前となった矢先、ある出来事をきっかけに、物語は大きくシフトチェンジをする。

 
 本作はとんとん拍子で始まったノー天気な青春ドラマと思いきや、ある事件を境に物語は非常にディープな方向に進み始める。

 まだ謎のベールに包まれたままの作品なので詳細は避けるが、沖縄の米軍問題を大々的にフィーチャーしたエピソードは、日本側だけでなく、米軍家族の視点も交え非常に考えさせられる。

 日本にありながら、米軍敷地内は米国という高い壁を上手く取り入れた話は、まるで「ロミオとジュリエット」であり、バンドの分裂から再生する物語は定番であるが胸が熱くなる。

 監督は昨年、試写会で拝見して感銘を受けた「羊と鋼の森橋本光二郎だ。繊細な人物描写が上手く、前半の仕掛けには「あっ」という位に、まんまと騙された秀逸な演出にやられた。男子たちの群像劇の中、紅一点となる山田安奈は昨年、私が邦画ベスト1に挙げた「ミスミソウの主演を務めたストイックな演技が上手い注目の女優だ。

 個人的に良かったのはバンドを見守るライブハウスのオーナーを演じた世良公則だ。ロックバンド「ツイスト」でデビューした世良は、その後ドラマ「太陽にほえろ!や映画「極道の妻たちで俳優として頭角を現し、今に至るベテランだ。若いバンドの良き理解者役はバンドでデビューした世良には適役であろう。

 「小さな恋のうた」は、若い世代はもちろん、大人の観客も魅了する良質な青春音楽ドラマだ。ただ、一点気になるのは、お父さんに叩き壊されたギター「レスポール」が投げっぱなしになってしまった事が悔やまれる。エンドロールで何らかのフォローが欲しかったが、多くの人にお勧めできる良作だ。

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