「ボヘミアン・ラプソディー」@109シネマズ川崎

    
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 公開から1月以上過ぎた平日夜。2D字幕版を上映するシアター1には40~50名位の客入りで年齢層は高め。入場時にグリーティングカードがもらえた。
   


   映画の話
 1970年のロンドン。ルックスや複雑な出自に劣等感を抱くフレディ・マーキュリー(ラミ・マレック)は、ボーカルが脱退したというブライアン・メイ(グウィリム・リー)とロジャー・テイラー(ベン・ハーディ)のバンドに自分を売り込む。類いまれな歌声に心を奪われた二人は彼をバンドに迎え、さらにジョン・ディーコン(ジョー・マッゼロ)も加わってクイーンとして活動する・・・。

   映画の感想
 いつも通りに何も知らず「今更クイーン?」なんて斜に構えて鑑賞したら、これが面白い!!まず、映画が始まり、何に驚いたかというとスタッフクレジットの編集ジョン・オットマンと出たときに「おっ」と思ってみていたら、監督はなんとオットマンと名コンビの「X-MEN」シリーズのブライアン・シンガーではないか!!このクレジットを見て、私のテンションも一気に上がった。

物語はクイーンの誕生から成功へのステップを駆け上るメンバーたちの友情と葛藤を描きながら、レコード会社との意見の相違や、名曲の誕生と録音風景を再現した描写を積み上げつつ、バイセクシャルであったフレディの私生活が並行して描かれる。

 まぁ、今となってはLGBTなんて言葉ができて、映画業界も「ムーンライト

をはじめ、LGBT映画が大流行しているが、本作も実はLGBT映画ではないか。しかも監督はホンマ者のゲイと公言するブライアン・シンガーである。そのために、フレディとその恋人たちのシーンが妙にリアルで生々しいのだが、そのさじ加減が絶妙で、思わせぶりなシーンが有るものの、きわどいシーンは描かない。

 それにしても驚いたのは「フレディ=ゲイ」という認識を私はもっていたが、何と彼にはれっきとした内縁の奥さんメアリーがいて、彼がバイセクシャルと判った後も心の友の様に二人がつながっていた事は知らなかった。

 私はクイーンの歴史は結成当時から人気が爆発した70年代は知らないが、80年代以降はリアルタイムで聞いていたので、物語が手に取るようにわかり「あーっ、そうだった・・・」なんて記憶を思いをたぐりながら見ていた。とにかく、洋楽かじりの映画小僧だった私は「フラッシュ・ゴードン

のサントラLPを買って、何度も聞き返していた。今聞くと、映画のセリフと効果音が入ったかなり変わったアルバムであったがお気に入りのアルバムだった。

 それにしてもゲイの方はみな短髪にひげといういで立ちで、フレディの取り巻きも短髪にひげであり、フレディ自身も長髪から御馴染みの短髪にひげスタイルに変身してしまい、ゲイの方々も革ジャンに皮帽子のスタイルで登場して、映画の中ではゲイのボーカルグループで「YMCA」で知られる「ヴィレッジピープル」と言っていたが、私はアル・パチーノがゲイクラブに潜入捜査する、ウィリアム・フリードキン監督「クルージング

を思い出してしまった。こちらも刺激的な作品である。

 かなり、話はそれてしまったが、物語は紆余曲折を経てボブ・ゲルドフが企画したアフリカ難民救済コンサート「ライブ・エイド」に突入する。クライマックスは「ライブ・エイド」を再現したライブシーンが描かれるが、もう、このシーンは最高だ。英ウエンブリースタジアムと大観衆を再現した映像は、VFXを理解した監督でないと難しい。ここもVFXを使った「X-MEN」を演出してきた監督のチョイスがモノを言ったシーンであろう。

 このライブで演奏される「ラジオ・ガ・ガ」など有名曲が演奏され、最後にクイーンの代表曲「伝説のチャンピオン」が演奏される。もう何十回と聞いてきた曲なのに、あの有名なサビが流れ始めたら涙があふれ始めた。こんな事は初めてである。約2時間にわたりクイーンとフレディの歴史を垣間見た後に、この曲の素晴らしさと重みを改めて感じたと思う。

 それにしても本作は絵の見せ方と編集が上手い。特に「ライブ・エイド」のシーンは、通常ではありえないカメラアングルを多用して立体的にライブを描き、随所にスタジアムの観衆や、テレビ中継を見るクラブのお客さんたちや、フレディの家族のシーンをインサートさせる。流石シンガー&オットマンの最強タッグが作り出した映像である。ライブシーンが全くダメだった「アリー/スター誕生」の不満がぶっ飛ぶ、最高のライブシーンである。

 こうして、映画を見る前の「今更クイーン?」なんて斜に構えていた私の心は、どっぷりとクイーンの魅力に心奪われて劇場を後にした。クイーンのメンバーを演じた役者たちのなりきり演技もさることながら、改めてブライアン・シンガーという監督の才能を再認識した素晴らしい作品である。

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  • ボヘミアン・ラプソディ

    Excerpt: 1970年、イギリス・ロンドン。 昼は空港で働き、夜はライブ・ハウスに入り浸っていた青年フレディは、ギタリストのブライアンとドラマーのロジャーのバンドの新しいヴォーカリストとなり、ベーシストのジョンを.. Weblog: 象のロケット racked: 2018-12-15 22:01
  • ボヘミアン・ラプソディ

    Excerpt: TBはここにお願い致します。 Weblog: 銀幕大帝αTB受付 racked: 2019-04-24 14:50
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    Excerpt: 去年、巷を席巻して、多くの受賞となった話題作を、ネットでレンタル大画面で、思う存分、堪能できましたなるほど、みなさんの、ソックリさんぶりがハンパなく、オハナシも、ありあまる才能と繊細さがゆえの光と影。.. Weblog: のほほん便り racked: 2019-05-05 13:51