「アバウト・レイ 16歳の決断」@スペースFS汐留

 フィルムマークスさん独占試写会。客入りは9割位。女性客が多い。
   


   映画の話
 トランスジェンダーで16歳のレイ(エル・ファニング)は、身も心も男性として生きていくことを母親のマギー(ナオミ・ワッツ)に告げる。思わぬカミングアウトと医師から渡されるホルモン治療の資料などに、マギーは困惑するばかり。一方、レズビアンであることを公言してパートナーと充実した日々を送る祖母ドリー(スーザン・サランドン)はレイを応援する。ある日、マギーはレイのホルモン治療の同意書にサインをもらおうと元夫を訪ねる。

   映画の感想
 映画鑑賞前にトランスジェンダーを扱った作品と聞き「ヤバイやつかも?」と身構えたが、確かにトランスジェンダーを題材にしているが、作品の描き方は男の子になりたい16歳の女子レイと、彼女に振り回されるシングルマザーのマギーのドラマで、そんな二人をドンとかまえる祖母ドリーの物語である。ちなみにばぁちゃんもレズビアンと言うトンデモ家族である。

 物語は男の子になる為のホルモン治療を行うために、レイの両親のサインが必要な同意書が物語の鍵となり展開する。「男の子になりたい」レイのドラマを狂言回しに使いながら、本筋は母マギーがレイの父親から同意書にサインをもらう話がメインとなるが、どうもマギーも恋多き女性でレイの父親の存在が怪しい。戸籍上の父親とは別の父親の存在が浮上してくる。やっぱりトンデモ家族である。

 戸籍上は女子のレイだが、外見から男に近づけようとする努力をする。短髪に腋毛まで生やして体当たりの演技を魅せるエル・ファニングは流石です。一方、娘の行動にオロオロする母マギーが物語を牽引する。物語途中、父親に同意書を持って現れたマギーが一度断念して、同意書をくしゃくしゃに丸めて、自動車の後部座席に投げて、丸まった同意書が右や左に転がるショットは、正に男にも女にもなれず迷走するレイの姿を象徴した様な名シーンだ。

 監督、脚本はゲイビー・デラルと言う女性監督だ。私は知らない。物語全体に起伏が乏しく、面白く出来る題材を無難に描いてしまった印象だが、トランスジェンダーの方が本作を見ると共感するのかもしれない。エンドロールで製作年が2015年と表示されて驚いた。これだけのスターが揃っても、公開に至るまで色々あったようだ。今年一本目の試写会、私好みではなく残念。

  以下、製作を務めた「ビッグ・ビーチ・フィルムズ」が製作した作品
   


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