「エイリアン:コヴェナント」@TOHOシネマズ日本橋

 公開初日、夜。TCXスクリーンを構えるスクリーン7。劇場が広すぎて全体的にどの位の客入りかは不明だが、私の周りは満席、男性客が多い。

   

映画の話
 宇宙移住計画を遂行するため、コールドスリープ中の男女2,000人を乗せた宇宙船コヴェナント号は、植民地の惑星に向かって宇宙を航行する。最新型アンドロイドのウォルター(マイケル・ファスベンダー)が船の管理を任されていたが、途中で事故が発生。乗組員たちは必死で修復作業に取り組み……。

   映画の感想
 「エイリアン」シリーズの最新作だ。シリーズ1~4はSFスリラー映画として大衆向けとすると、新シリーズの「プロメテウスと本作は表向きSFスリラーであるが、その内容は哲学的な方向に向かっている。

 まずタイトルはジェリー・ゴールドスミスが「1作目」で書いたスコアが新録音で使われ、お馴染みのタイトルロゴが登場する。この冒頭が示すとおりに、物語の前半の構成はほぼ「1作目」をリブートした様な展開で進む。

   以下ネタバレ注意

 注目はタイトルでキャストの名前が出る順番だ。映画と言う物は一番初めに名前が出るキャストが概ね主人公だ。今回は前作に引き続き出演となったマイケル・ファスベンダーだ。幕開けも完成したアンドロイド「デヴィッド」が起動して、ウエイランド博士と対峙するシーンからスタートする。丁度このシーンは「2001年宇宙の旅コンピーターHAL9000が、メモリーを消されていく時に初めて覚えた曲「デイジー・ベル」を歌うシーンがでてくるように、デヴィッドは博士の前で、グランドピアノでワーグナーの曲を弾いてみせる。何か「2001年」のオマージュの様なシーンである。

物語前半から未知なる新惑星が発見される過程は正に「1作目」だが、着陸艇の件は「エイリアン2を彷彿させる。そして、シリーズ始まって以来の新展開を魅せる。今まではエッグからエイリアンは誕生してきたが、今回は毬藻の様な球体から粒子が拡販して人間の体内にエイリアンの種子が寄生して、体内で小型エイリアンみたいなやつが誕生する仕組みだ。今までは胸を割いて誕生するチェストバスターが主流であったが、本作は背中を裂いて誕生して、小型エイリアンがすぐに人間に攻撃する恐ろしい奴だ。

 まぁ、それにしても宇宙服も着ないで、軽装のまま未知なる惑星に入っていって「危ないなぁ」と思っていたら、まんまの展開である。更に着陸艇で暴れ出したエイリアンを攻撃して、着陸艇もろとも爆破の展開も「2」を彷彿させる。

 未知の惑星で孤立無援状態の調査隊が小型エイリアンに襲われる中、突如、救世主が現れる。かなりの緊張状態であったが、この救世主の登場により、物語は小難しい哲学的な展開になる。主役は調査隊から二人のアンドロイドの物語となっていく。1人は調査隊と共に惑星入った「ウォルター」。そして、もう一人は前作で生き残った「デヴィッド」だ。

 「デヴィッド」の登場により物語は真の姿を見せ始める。狂ったアンドロイドは人類を滅ぼし、新たな生物を創造して、神を超える存在になろうと野心を燃やしていたのだ。

 後半には従来の大型エイリアンも登場して、調査隊と生存をかけた戦いが描かれるが、この展開もまんま「2」の流れを焼き直したような展開で面白みに欠ける。それから、ダグラス役のキャサリン・ウォーターストーンに全くオーラを感じられず、改めてシガニー・ウィーバーや、やや小粒だが生命力が強かったノオミ・ラパスが凄かったと思う。

 謎を残した幕引きに戸惑う。その一方、改めて「エイリアン」を創造した脚本家ダン・オバノン、デザイナーのH・R・ギーガーと共に、本作ても音楽が使われたジェリー・ゴールドスミスら今は亡きクリエイターたちの凄さを改めて痛感し、感慨深い思いにふけってしまった。

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