「007 スペクター」@109シネマズ川崎
先行上映、日曜日の夜。シアター1の客入りは男性客を中心に6割位。


映画の話
ボンド(ダニエル・クレイグ)は、少年時代の思い出が詰まった生家“スカイフォール”で焼け残った写真を受け取る。彼はM(レイフ・ファインズ)が止めるのも無視して、その写真の謎を解き明かすため単身メキシコとローマを訪れる。死んだ犯罪者の妻ルチア(モニカ・ベルッチ)と滞在先で巡り合ったボンドは、悪の組織スペクターの存在を確信する。
映画の感想
題名「スペクター」が示すとおりに、オールドファンはニンマリの仕掛けが施されているが、作品全体を見ると地味で面白みに欠ける。とりあえず前作「スカイフォール」
と話が繋がっているので、未見の方はDVDを見ないとダメだ。
先ごろ公開された「キングスマン」の中でサミュエル・L・ジャクソンが近年の007シリーズを嘆いていた様に、物語が現実的で辛辣な上、監督がドラマ重視のサム・メンデスと来たもので、娯楽作とはどんどん遠くなっている様に感じた。
以下ネタバレ注意
まぁ、それでも見所は多多ある。まず、冒頭のメキシコシティのシーンで幕を開けるイントロシーンは、間違っていなければ、死者祭りのシーンからボンドがビルの上からターゲットに狙いをつけるまでがワンカットで撮影されていた。なかなか難しい撮影をどの様に撮影したのかメイキングで種明しを期待したい。そしてド迫力のビル崩壊。このシーンもラストのMI6のビル崩壊を暗示させる対の関係になっている。死者祭りのシーンは何気に「死ぬのは奴らだ」
のオマージュであろう。
それにしても何故、007もミッションインポッシブルも所属部隊の解体と言うストーリーなのだろうか?これも原作が発表された時代が関係している。旧時代の東西冷戦時に活躍したスパイ活動が時代遅れとなり、現代の風潮に合わなくなったのだろう。
そしてヒロイン登場だが、モニカ・ベルッチに至っては全体的に5分程の出演でガックリだ。その反対にレア・セドゥが大活躍だ。「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」では殺し屋だったセドゥが本作ではボンドガールに出世した。「ロシアより愛をこめて」
にオマージュ的な列車内でのアクションシーンもこなしている。しかし、今回の悪役は魅力に欠ける。旧作のジョーズ位に立ったキャラ設定が欲しい。
そんな中、本作は旧作で悪の象徴スペクターを引っ張り出してきた。もうこのタイトルにピンと来た人は、本作が相当楽しめる。ショーン・コネリー時代の007の敵と言えばスペクターだ。そのスペクターの正体は勘のいい人は「もしや?」なんて疑惑を覚えるはず。なかなか正体が見えてこないオーベルハウザー(クリストフ・ヴァルツ)。後半にやってくれます。
あの独特のジャケットに白いペルシャ猫。まさかの本名が明らかになる。母方の名前は「ブロフェルド」。若いファンはスルーしてしまう名前であろうが、旧作ファンは「なるほど」となるはずだ。しかも、少年時代のボンドがブロフェルドの父親に引き取られて「彼と一緒に少年時代を過ごした」と言う、とんでもエピソードが後付けでされてしまった。原作者イアン・フレミングが生きていたら激怒しそうな設定だ。
作品全体を見ると、冒頭のヘリコプターのアクションや、新型アストンマーチンのカーチェイスや、セスナ機と車のチェイス、列車内のバトル、ビルやブロフェルドの秘密基地の大爆破などがあるのに、全体的に地味に感じた。それは、やはり監督のチョイスを間違えたのだろう。ドラマ重視のサム・メンデスではどうしても、ドラマに力が入ってしまい全体を重苦しい物にしてしまった。
それとトーマス・ニューマンのスコアも良くない。彼もドラマ作品が得意で、サム・メンデス作品をはじめ、「エリン・ブロコビッチ」なんかは彼の真骨頂となる。彼のスコアは伝統的なジョン・バリーのスコアを踏まえた物なのだが、彼の得意なシーケンスや、カーチェイスシーンではギターサウンドのリフを使いながら、コーラスのサンプリングを使った新基軸を打ち出していたが違うのだ。やはり、ファンはジョン・バリー・サウンドをもとめている。
そんな不満を作り手も感じ取ったのか、エンドロール前に旧型アストンマーチンに、モンティ・ノーマンが書いた「ジェームズ・ボンドのテーマ」が流れると、やっぱり「これだ!」と感じた。しかし、このスコアは「トゥモロー・ネバー・ダイ」以降の007シリーズの音楽を担当してきたデヴィッド・アーノルドが書いたアレンジ版が使われていた事が皮肉だ。
上映後の観客の反応の悪さも顕著であった。面白い映画を見た後の高揚感がほとんど感じ取れなかった。これは完全な失敗作であろう。今時代はISによるテロ攻撃で危機的状況となっている時代に、完全に007の様なスパイ映画が合わなくなったと思う。先にも書いた「キングスマン」のセリフの様な、荒唐無稽なスパイ映画に立ち返る時が来ている事を本作を見て実感した。
映画の話
ボンド(ダニエル・クレイグ)は、少年時代の思い出が詰まった生家“スカイフォール”で焼け残った写真を受け取る。彼はM(レイフ・ファインズ)が止めるのも無視して、その写真の謎を解き明かすため単身メキシコとローマを訪れる。死んだ犯罪者の妻ルチア(モニカ・ベルッチ)と滞在先で巡り合ったボンドは、悪の組織スペクターの存在を確信する。
映画の感想
題名「スペクター」が示すとおりに、オールドファンはニンマリの仕掛けが施されているが、作品全体を見ると地味で面白みに欠ける。とりあえず前作「スカイフォール」
先ごろ公開された「キングスマン」の中でサミュエル・L・ジャクソンが近年の007シリーズを嘆いていた様に、物語が現実的で辛辣な上、監督がドラマ重視のサム・メンデスと来たもので、娯楽作とはどんどん遠くなっている様に感じた。
以下ネタバレ注意
まぁ、それでも見所は多多ある。まず、冒頭のメキシコシティのシーンで幕を開けるイントロシーンは、間違っていなければ、死者祭りのシーンからボンドがビルの上からターゲットに狙いをつけるまでがワンカットで撮影されていた。なかなか難しい撮影をどの様に撮影したのかメイキングで種明しを期待したい。そしてド迫力のビル崩壊。このシーンもラストのMI6のビル崩壊を暗示させる対の関係になっている。死者祭りのシーンは何気に「死ぬのは奴らだ」
それにしても何故、007もミッションインポッシブルも所属部隊の解体と言うストーリーなのだろうか?これも原作が発表された時代が関係している。旧時代の東西冷戦時に活躍したスパイ活動が時代遅れとなり、現代の風潮に合わなくなったのだろう。
そしてヒロイン登場だが、モニカ・ベルッチに至っては全体的に5分程の出演でガックリだ。その反対にレア・セドゥが大活躍だ。「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」では殺し屋だったセドゥが本作ではボンドガールに出世した。「ロシアより愛をこめて」
そんな中、本作は旧作で悪の象徴スペクターを引っ張り出してきた。もうこのタイトルにピンと来た人は、本作が相当楽しめる。ショーン・コネリー時代の007の敵と言えばスペクターだ。そのスペクターの正体は勘のいい人は「もしや?」なんて疑惑を覚えるはず。なかなか正体が見えてこないオーベルハウザー(クリストフ・ヴァルツ)。後半にやってくれます。
あの独特のジャケットに白いペルシャ猫。まさかの本名が明らかになる。母方の名前は「ブロフェルド」。若いファンはスルーしてしまう名前であろうが、旧作ファンは「なるほど」となるはずだ。しかも、少年時代のボンドがブロフェルドの父親に引き取られて「彼と一緒に少年時代を過ごした」と言う、とんでもエピソードが後付けでされてしまった。原作者イアン・フレミングが生きていたら激怒しそうな設定だ。
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それとトーマス・ニューマンのスコアも良くない。彼もドラマ作品が得意で、サム・メンデス作品をはじめ、「エリン・ブロコビッチ」なんかは彼の真骨頂となる。彼のスコアは伝統的なジョン・バリーのスコアを踏まえた物なのだが、彼の得意なシーケンスや、カーチェイスシーンではギターサウンドのリフを使いながら、コーラスのサンプリングを使った新基軸を打ち出していたが違うのだ。やはり、ファンはジョン・バリー・サウンドをもとめている。
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