映画「相棒 -劇場版III- 巨大密室!特命係 絶海の孤島へ」@丸ビルホール

 今回私は「あなたの相棒と見る『相棒 -劇場版III- 巨大密室!特命係 絶海の孤島へ』試写会」に招かれた。客入りは満席。小さなお子様から年配の方まで幅広い客層だ。改めて「相棒」シリーズの人気のほどがうかがえる。

 映画上映前には水谷豊、成宮寛貴、スペシャルゲストの澤穂希選手によるトークショーが行われた。司会はテレビ朝日の田畑裕一アナウンサーだ。生で拝見する水谷、成宮の両氏はかなりシャイな方で、沢山のお客さんを前に緊張している様子が伝わって来る。

   

   映画の話
 東京から約300キロ離れた島・鳳凰島で馬に蹴られた男性が死亡する事故が発生。警視庁特命係の杉下右京(水谷豊)と甲斐享(成宮寛貴)は、不思議なうわさのある島の実態を調査することに。その島は実業家(宅麻伸)が所有し、元自衛隊員が集まり訓練に励んでいた。右京は男性の死亡理由が事故ではなく殺人であると確信。島には特命係、捜査一課、鑑識課が集結するが、彼らを何者かが襲撃し……。

   映画の感想
 前作が、大きな事件の外堀で右京たちが右往左往する展開で面白みに欠ける作品であったが、今回はその反省からか、本来の「相棒」シリーズらしい推理の面白さと、映画的なスケールを兼ね備えるスケールの作品へと仕上がった。私の様なドラマ版を少ししか見た事の無い「相棒」素人でも十分に楽しめる作品だ。

 新聞の片隅に乗った小さな死亡事故事件を右京たちが掘り起し、事件はやがて日本国家を揺るがすテロへと発展する事件と戦う事になる。事件の発端は東京から300キロ離れた実業家が所有する孤島で、馬に蹴られて島で訓練中の民兵が死亡する。自衛隊上がりの民兵たちが占拠する島に、防衛省と対立する警視庁の刑事が捜査に乗り出すことは困難と判断した警視庁上層部は、特命係の右京と亨に白羽の矢を立てて島の捜査をさせる事が決まる。ここで注目は右京に調査依頼をするのが、右京の前相棒・神戸(及川光博)だ。右京の二代目相棒の神戸と、三代目相棒の亨が、特命係の部屋で二人が初対面する貴重なシーンは「相棒」ファンは歓喜するはずだ。

 島には元自衛隊員の神室(伊原剛志)をリーダーとする民兵たちが占拠し、島内部で日々軍事訓練に明け暮れていた。この民兵のキャスティングに注目だ。伊原剛志はジャパン・アクション・クラブ出身の俳優であり、「硫黄島からの手紙」では馬に乗った兵隊を演じていた。高野役の釈由美子も今ではすっかり不思議ちゃんとなってしまったが、過去にはアクション作品の「修羅雪姫や、「ゴジラ×メカゴジラ、「ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOSでは自衛隊員を演じた。そんな芸能界の武闘派たちがバランス良く配置されている。物語は一見、簡単な死亡事故で片付く事件であるが、そこに頭脳明晰な右京が島に乗り込んだことで、民兵たちの壮大な思惑や、民兵と自衛隊との対立、防衛省と警視庁との対立など色々な問題が明るみになる・・・・。

 作品は先にも書いたとおりに劇場版らしいスケールで展開する。舞台は交通手段は船や空路のみの孤島だ。いわゆる密室状態の舞台と言える。島を占拠するのは自衛隊上がりの民兵たちで、結束が固く殺人事件の容疑者としてとても扱いづらい。更に民兵の行動を快く思っていない防衛省と自衛隊が絡み、右京と亨の特命係と犬猿の警視庁の面々が力を合わせて捜査に乗り出すが、警視庁が思う以上に困難な捜査となる。

   以下ネタバレ注意

 本作を見ると意外にも非常にメッセージ性の強い作品と言える。作家は「相棒」シリーズの型を使い、現在の日本が置かれた防衛について異論を唱える。そのメッセージが最大に表れるのが、作品の最後に右京と亨が事件の真犯人と拘置所の面会室で展開される。平和ボケとなった現代の日本に対して、独自の思想に基づき持論を唱える神室に対して、彼が抱く好戦的な防衛思想に一喝する右京。作家は多分このシーンを描くために、壮大な物語を作ったと言える位に力が入ったシーンである。人気テレビドラマの劇場版と軽い気持ちで映画を見に来た観客に、作家は日本国家に対して痛烈な警鐘を込めて幕を引く。かなりアクの強い幕引きであるが、観客に考える余地を与えた作家のメッセージは十分に伝わった。右京と亨の活躍はもちろん、人気のサブキャラクターたちの活躍もバランス良く「相棒」劇場版として上々の仕上がりである。

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