映画「ワイルド・スピード EURO MISSION」@TOHOシネマズ六本木ヒルズ

 公開2週目の平日。スクリーン6の客入りは40~50名位。客層は中学生くらいの少年グループから年配の方まで幅広い客層だ。私の横に来た外人親子の少年が終始まったく落ち着きなく、外国の映画館のノリなのか、画面にあわせて動くは、しゃべる落ち着かない環境で鑑賞する事に。

  
    映画の話
 リオデジャネイロの犯罪王から100億円を、まんまと奪い取ったドミニク(ヴィン・ディーゼル)。その後、逃亡し続けていたドミニクだったが、世界中で犯罪行為に手を染める巨大犯罪組織を追うFBI特別捜査官ホブス(ドウェイン・ジョンソン)に協力を依頼される。ホブスの話によると、その犯罪組織に関わっているのは、ドミニクの死んだはずの元恋人レティ(ミシェル・ロドリゲス)だった。

   映画の感想
 今回主人公たちは、前作で“追う物と追われる物”という関係だったFBI捜査官ホブス(ドウェイン・ジョンソン)の依頼で、犯罪グループを追い詰める“正義の犯罪者”となり活躍するルール違反気味の異端な物語だ。その為に今までのような犯罪のプロセス~実行と言ったカタルシスは薄まり、警察から追われるスリリングな展開もなくなってしまった事が残念だ。シリーズの流れから見ると4作目「MAX」、5作目「MEGAMAX」と本作で3部作の最終章となる。物語が先の二本と密接に繋がっている為に未見の方は見ておいたほうが良い。

 本シリーズの面白い所はシリーズ1、2作目は普通の犯罪カーアクション映画としてスタートするが、東京を舞台とした3作目「TOKYO DRIFT」であらぬ方向に動き出し、「このシリーズも、もう駄目か・・・」と誰もが思った所に「MAX」、「MEGAMAX」とV字回復を遂げて、その勢いのまま本作にたどり着いたように思う。その立役者はなんと言っても3作目からシリーズの監督を務めるジャスティン・リンの力が大きい。典型的駄目映画だった「TOKYODRIFT」が嘘のように、4作目からシリーズの顔と言えるヴィン・ディーゼルポール・ウォーカーが返り咲き、リン監督も燃えたのだろう。リン監督は犯罪とダイナミックなアクションを融合したスタイルを確立し、シリーズを増すごとにアクションのハードルは上がり、本作は「そこまでやるか」と、観客の予想を軽々と上回るアクションを見せ付ける。

 私の好きなリン監督の演出は、車を運転中の運転手同士が視線と表情だけで恋愛感情表現するシーンが好きだ。この演出は「TOKYODRIFT」でもハンがギャルをナンパする時に、ギャルの車の周りをグルグル回るシーンでも効果的に使われた演出だ。本作では運転席のドムが運転席のレティ(ミシェル・ロドリゲス)に向けてLOVE視線を浴びせていた。この演出の元を辿れば、ジョン・ウー監督「ミッション:インポッシブル2」で、運転中のトム・クルーズが、並走する車のタンディ・ニュートンにLOVE視線を浴びせるシーンから引用されて生まれたシーンであるが、この手のケレンミのある演出は作品に色気を出て良い。

 今回は元軍人のショウ(ルーカス・エヴァンス)率いる犯罪グループが敵となり、ホブスとドム・ファミリーが犯罪を阻止しようとする物語であるが、ショウの犯罪グループとドム・ファミリーが丁度コインの表裏のような関係となった設定が面白い。これは作家の巧妙な仕掛けであり、ドム・ファミリーとそっくりな犯罪グループが登場し極悪な犯罪を犯す事で、犯罪者であるはずのドム・ファミリーが正義の味方に見える観客心理を上手く利用した設定が上手い。しかし、ショウの犯罪グループはショウとカンフー使いのアジア人以外のキャラが薄い事が難点のように感じた。

 それにしても、本シリーズのメガトン級のアクションはシリーズが進む毎に進化しており、冒頭のショウのアジトの大爆破に始まり、街中でのカーアクションにはF1スポーツカーのようなスタイルのマシンが大活躍して、ドム・ファミリーを苦しめる。ドムたちはマシンの製造元を探る過程で、敵から奪った小型の銛がクライマックスで大活躍する。この小型の銛は「『白鯨』で使うのか」みたいな台詞が、その後の展開を暗示し、後半は車同士のバトルを飛び越えて、高速道路での戦車を相手に凄まじいアクションの連続に加え、最終的に主人公までが飛び上がるフライングアクションの大オチまで完成度が高い。そして「ダイ・ハード2」のクライマックスを彷彿させる車と貨物飛行機の大掛かりなアクションにはアドレナリンが大放出してしまう。

 本シリーズは何気に時系列が複雑だ。本作の中でハンが「東京へ行く」と言う言葉通りに、この話の続きは3作目「TOKYODRIFT」に繋がり、恩赦となったハンは東京に拠点を構え、ドリフトレースに明け暮れている設定となる。そんなハンはシリーズで百戦錬磨だったが、抗争相手とのバトルで交通事故死してしまう。ここまでが「TOKYODRIFT」で描かれるが、その事故死のバックには、なんとあの大物アクションビッグスターが絡んでいたという、後付のオマケ映像に仰天し、頭が真っ白になり幕が引かれる。

 まぁ、本作は前作と比べると主人公たちが「正義の犯罪者」という無茶苦茶な設定であり、話の面白さは負けてしまうが、よくもここまで様々なアイディアを出して、見事に映像化させるアメリカ映画の凄さを感じると共に、普通の犯罪カーアクション映画だった「ワイルド・スピード」が、こんな長寿シリーズとなり、登場人物たちはファミリーとなり、作品は映画会社の看板となる位なビッグタイトルに成長した事がファンとしてうれしい限りである。次回作でのドム・ファミリーの活躍も楽しみだ。

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