映画「遊星からの物体X ファーストコンタクト」@ブロードメディアスタジオ試写室
試写会の主権はハリウッドチャンネルさんで、客入りは9割くらいだ。今回は新旧「遊星からの物体X」ダブル試写会という素晴らしい企画に招かれた。


映画の話
ノルウェーの南極観測隊が、氷の中に閉じ込められた未知の生命体を発見。古代の生物ではないかと推測され、その調査のために考古生物学者ケイト(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)が彼らの基地に向かう。だが、生命体は解凍されて長い眠りから覚醒。しかも、それはほかの生物の体内に侵入しては、細胞を同化して宿主そのものに擬態する、宇宙からやって来た生命体だったのだ。突如として宿主の肉体を破壊するように変形しては襲い掛かる生命体によって、彼らは誰が同化されているのか判断できない状況になっていき……。
映画の感想
時代設定が1982年という事でユニバーサルピクチャーズのロゴマークも昔懐かしいバージョンで幕を開ける。本作はジョン・カーペンターが監督した82年版「遊星からの物体X」
の前日譚となる3日前、ノルウェー南極観測隊の悲劇が描かれる。
82年版ではノルウェー隊の悲劇を観客の想像に委ねた形が取られていた。惨劇のあったノルウェー南極観測基地の残骸と隊員の死体、焼け死んだ顔が裂けた謎のクリーチャー、残された記録映像と記録文章、そして掘り出された宇宙船など、82年版は観客の想像を掻き立てるパズルのピースを沢山残してくれた。
以下ネタバレ注意
本作はそんなパズルのピースを拾い集め、最新のVFXを駆使して一枚の絵として完成させた作品となるが、クリーチャーの変身シーンなど見るべき点はあるものの、全体的に偉大なる82年版を焼き回したしたリメイク版の様な展開で面白みに欠ける、何かもうひと工夫必要だったと思う。唯一、クリーチャーが生物と同化する時に無機質な物体は同化出来ず、体内から吐き出すという設定は面白い。
それから男ばかりのストイックな世界の82年版に対して、本作はアメリカ女性学者が主人公って事も頂けない。多分「エイリアン」シリーズを意識したと思う。後半の展開も「エイリアン」主人公リプリーを思わせる活躍ぶりで、宇宙船内部に入りクリーチャーに止めを刺すが、主人公の線の細さが終始気になった。
まぁ、なんだかんだ言っても本作の最大の見所はラストであろう。82年版を見た観客は本作の結末を知っている。そこで「どのようにして本作のラストと82年版のオープニングにつなげるか?」が見所となるが、ここは見事に役目を果たしている。この辺のアプローチは「羊たちの沈黙」の前日譚となる「レッド・ドラゴン」や、「スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐」と同じカタルシスを感じた。時系列で言うと82年版「遊星からの物体X」が本作の後となるが、必ず82年版を見てから本作を見ることをオススメする。
映画「遊星からの物体X ファーストコンタクト」関連商品
映画の話
ノルウェーの南極観測隊が、氷の中に閉じ込められた未知の生命体を発見。古代の生物ではないかと推測され、その調査のために考古生物学者ケイト(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)が彼らの基地に向かう。だが、生命体は解凍されて長い眠りから覚醒。しかも、それはほかの生物の体内に侵入しては、細胞を同化して宿主そのものに擬態する、宇宙からやって来た生命体だったのだ。突如として宿主の肉体を破壊するように変形しては襲い掛かる生命体によって、彼らは誰が同化されているのか判断できない状況になっていき……。
映画の感想
時代設定が1982年という事でユニバーサルピクチャーズのロゴマークも昔懐かしいバージョンで幕を開ける。本作はジョン・カーペンターが監督した82年版「遊星からの物体X」
82年版ではノルウェー隊の悲劇を観客の想像に委ねた形が取られていた。惨劇のあったノルウェー南極観測基地の残骸と隊員の死体、焼け死んだ顔が裂けた謎のクリーチャー、残された記録映像と記録文章、そして掘り出された宇宙船など、82年版は観客の想像を掻き立てるパズルのピースを沢山残してくれた。
以下ネタバレ注意
本作はそんなパズルのピースを拾い集め、最新のVFXを駆使して一枚の絵として完成させた作品となるが、クリーチャーの変身シーンなど見るべき点はあるものの、全体的に偉大なる82年版を焼き回したしたリメイク版の様な展開で面白みに欠ける、何かもうひと工夫必要だったと思う。唯一、クリーチャーが生物と同化する時に無機質な物体は同化出来ず、体内から吐き出すという設定は面白い。
それから男ばかりのストイックな世界の82年版に対して、本作はアメリカ女性学者が主人公って事も頂けない。多分「エイリアン」シリーズを意識したと思う。後半の展開も「エイリアン」主人公リプリーを思わせる活躍ぶりで、宇宙船内部に入りクリーチャーに止めを刺すが、主人公の線の細さが終始気になった。
まぁ、なんだかんだ言っても本作の最大の見所はラストであろう。82年版を見た観客は本作の結末を知っている。そこで「どのようにして本作のラストと82年版のオープニングにつなげるか?」が見所となるが、ここは見事に役目を果たしている。この辺のアプローチは「羊たちの沈黙」の前日譚となる「レッド・ドラゴン」や、「スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐」と同じカタルシスを感じた。時系列で言うと82年版「遊星からの物体X」が本作の後となるが、必ず82年版を見てから本作を見ることをオススメする。
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