映画「ワイルド7」@ニッショーホール

 客入りは7割くらい、ムービープラスさん主権の試写会だ。
 


 映画の話
 ある日、“ワイルド7”の出動を要する事件が発生。メンバーたちが犯人を追い詰めた瞬間、謎のスナイパーが現われ犯人を射殺して逃走する。ワイルド7の飛葉(瑛太)はスナイパーを追跡するものの見失ってしまう。飛葉は、追跡の際に迷い込んだ埠頭(ふとう)のクラブで黒髪の美しい女性ユキ(深田恭子)と出会い、惹(ひ)かれ合うようになるが、ユキには秘密があった。

 映画の感想

 監督が「海猿」シリーズの羽住英一郎という事で、私が過大な期待をして見たのが悪かったのか、面白いのは中盤までで、クライマックスは物語が内に向かっていってしまい尻すぼみになってしまったのが残念である。ドラマ部分も非常に薄く、主演の瑛太も華が無く、この作品にはミスキャストだったように感じた。他の「ワイルド7」メンバーも、頭数を合わせたようなキャスティングなのが惜しい。

私は原作は知らないが、幼少期に実写版ドラマを少し見た記憶がある。しかし、子供が見るには不向きな大人向きなドラマで、直ぐにチャンネルを変えてしまった。さて、本作は冒頭は面白い。警察から要請されたワイルド7が強盗犯を「逮捕」ではなく「退治」するというインパクトと、日本映画では珍しいバイクアクションを前面に押し出したケレンミのある映像で掴みは良い。ざっと「ワイルド7」のメンバーが紹介されるが、ここはもう少し一人一人のバックボーンを丁寧描く必要があったと思う。その為に瑛太以外のメンバーに感情移入がし辛いのが難点であろう。

   以下ネタばれ注意  
 
 快調に幕開けをし、続く中盤のウィルステロまでは中々面白く「これはいいかも?」と期待をするが、後半がダメダメである。先にも書いたが、話が外に広がらず内に向かい、警察組織の陰謀にはめられたワイルド7が、警察組織から存在を抹消されて、テロ犯に仕立て上げられ、警察組織対ワイルド7という内輪の戦いとなる構図となり、バイクアクションが描きづらい室内劇になってしまう。この組織から存在が抹消されるパターンが、現在公開中「ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル」と、たまたま似てしまったのも惜しい。

 クライマックス、ワイルド7が国家の中枢「PSU」に乗り込みSATと戦う展開となるが、ワイルド7たちの約束で「警察官を殺さない」という設定も「ターミネーター2」とまるで同じ設定でデジャヴになってしまったのも残念である。大体、ワイルド7が「PSU」本部に乗り込む事が判り、SAT隊員たちが人間の壁で入り口を守ろうとするが、どう見ても不利であり、何故か入り口付近をバイクが走りやすいように、大きく間隔を取っている辺りから展開が見え見えだ。本当に彼らの行動を阻止したいのなら、入り口に装甲車で固めるくらいしなければ観客も納得しないであろう。

 「PSU」での銃撃戦やアクションは見るもののがあるもの、椎名桔平演じるセカイが銃撃により命を落とすが、あれだけの戦闘に防弾チョッキも付けずに「PSU」に乗り込んだのも疑問であり、彼の娘となる新聞記者・こずえと藤堂の存在もドラマの流れから必要なかったようにも思う。しかし、駄目な映画でも一点だけ素晴らしかったのは「PSU」の桐生を演じた吉田鋼太郎の怪演であろう。

吉田鋼太郎は人の神経を逆撫でするようなネッチリとした演技で、後半の展開を一人で引っ張っていた。映画を見ている間「この役者誰なんだろう?」なんて見ていたが、家に帰り調べたら演劇で活躍し、私がたまたまパブリックビューイングで見させていただいた蜷川幸雄演出「ムサシ」でも面白い演技をしていた人物と判り、一人で納得してしまった。ただ、桐生の扱いも雑で、これから桐生の運命が描かれると思っていたら、あんな形で処理してしまうのはもったいない。ラストも「海猿」シリーズと似たTo Be Continuedのように終わったが、もう続編は無いだろうし、あの内輪ネタみたいなエンドロールも私は嫌いだ。


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