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zoom RSS 「太陽」@一ツ橋ホール

<<   作成日時 : 2016/03/15 20:32   >>

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 映画レビューサイトCOCOさんから「太陽」完成披露試写会に招かれた。完成披露試写会と言う事でいつもより若干早めに教育会館に到着したら、開場待ちの列は外にまで延びている。長年このホールを利用してきたが、こんな長蛇の列は初めてである。
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 試写会上映前に出演者の神木隆之介、門脇麦、古川雄輝、古舘寛治、監督の入江悠、原作者の前川知大の舞台挨拶があり、会場は超満員で椅子に座れない客まででしまう大混雑ぶりだ。観客層は下は小学生位の女子から若年層の女子が中心でまるでアイドルコンサートの様な熱狂で、大人の観客は肩身が狭いアウェイ状態だ。

   
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    映画の話

 バイオテロによって人口が激減してしまった21世紀初頭の世界で、ウイルスへの抗体を持った新しい人類が誕生する。優れた知能と若く健康な肉体を誇る彼らは、自分たちをノクスと呼んで社会を支配するように。しかし、紫外線に耐えることができずに夜間しか活動できない弱点があった。一方、ウイルスの感染を免れた旧人類はキュリオと呼ばれ、ノクスから見下される存在になっていた。キュリオの青年・鉄彦(神木隆之介)はノクスに憧れるが、幼なじみの結(門脇麦)はキュリオの復権を願っていた。

   映画の感想

 「SR サイタマノラッパー」シリーズの入江悠監督が手がけた近未来SFと聞き、かなりの期待をしたが、全体的に見てもかなり厳しい作品だ。作品の世界観は新人類となったノクスと、旧人類キュリオと言う二分割された設定が取られているが、頭では理解していのに、その世界観がイマイチ画面から伝わってこない。

 ただ判る事はノクスは「太陽の光を浴びるとドラキュラの様に死に絶えてしまう」と言う事だけで、見た目はノクスもキュリオも差は無く、都会暮らしの金持ちノクスと、自給自足の田舎暮らしの貧乏人キュリオ、と言うステレオタイプな描き方で、観客に納得しろと言うのも無理がある。

 しかもノクスにより封鎖された村と橋の境には検問所があり、一人の門番が警備しているだけの手薄な物で、本当にノクスが厳しい検閲をしている意志が見られないので緊張感も生まれない。

 本作はそんな検問所の警備を任されたノクスの森繁とキュリオの鉄彦の奇妙な友情に焦点があてられる。分断された世界観でキュリオを見下すノクスの森繁が、鉄彦と接する事で魅せる心の変化が本作のポイントとなる。

   以下ネタバレ注意

 本作は淡々とした展開続く中で、突然得体の知れぬ巨大なパワーが爆発する瞬間に圧倒される。監督はワンカットの長回しを使い、溜まりに溜まったうっ憤を爆発させる登場人物の行動を淡々と追い続ける。その描写は丁度「SR サイタマノラッパー」の中で、主人公が募ったうっ憤を魂の叫びと化したラップでぶつける描写と重なる。入江演出の真骨頂といえるシーンに魅了されるが、そのパワーが作品全体に繋がらない事が残念だ。

 ノクスとキュリオと言う分断された近未来世界を描いた「太陽」。共存できぬ二つの人類に希望を与えた幕引きも「ブレードランナー」(82)ら、既存の近未来SFがとってきた安易なパターンに着地した所も賛否が判れる事だろう。

 神木隆之介ら若手キャストの演技にも注目したが、何せ引きの画面が多く、役者のアップが少なく、絶叫ばかりしている神木の演技しか印象に残らない事も難点だ。その反対に出ずっぱりの古舘寛治が渋い演技を魅せていた点は良かった。入江監督作品と期待しすぎた私の見方が悪かったのか、娯楽性も極めて低く、判り辛い世界観は私に合わなかった。

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太陽
21世紀初頭、ウイルスによって世界の人口は激減した。 生き残った人類は、吸血鬼ではないが太陽の光を浴びることができない進化した新人類ノクスと、ノクスに支配され貧しく暮らす従来型旧人類キュリオの2つに分かれることに。 転換手術によってキュリオはノクスになれるが、それは選ばれた20歳までの若者に限られている。 キュリオの青年・奥寺鉄彦は転換を切望し、生田結は拒んでいた…。 近未来SFドラマ。 ...続きを見る
象のロケット
2016/04/18 16:52
太陽
太陽@角川試写室 ...続きを見る
あーうぃ だにぇっと
2016/04/19 07:20
「太陽」
縁あって、舞台挨拶付き完成披露試写会を観に行く機会を得た。そして、開演前に偶然かみきゅんと遭遇。最初かみきゅんだとわからなかった。何故ならめっちゃイケメンだったから。もちろんかみきゅんはまごう事無きイケメンなのだけれど、ちょっと個性的というか、憎み切れないいたずらっ子的な感じがスクリーンでのかみきゅんにはあるのに、実物は単なるイケメンだったから、コレびっくり!「単なるオヤジだった」という表現と同レベルの単なるイケメンだった。冷たい位のイケメンだった。いやはやいやはや…。でも舞台挨拶上でのかみきゅ... ...続きを見る
ここなつ映画レビュー
2016/04/25 12:45
太陽〜近過去SFって?
公式サイト。前川知大原作、入江悠監督。神木隆之介、門脇麦、古川雄輝、綾田俊樹、水田航生、高橋和也、森口瑤子、村上淳、中村優子、鶴見辰吾、古舘寛治。演劇の翻案。近未来と ... ...続きを見る
佐藤秀の徒然幻視録
2016/04/26 19:21
太陽  監督/入江 悠
【出演】  神木 隆之介  門脇 麦  古川 雄輝  古舘 寛治 ...続きを見る
西京極 紫の館
2016/05/12 23:54
『太陽』 2016年4月23日 丸ノ内東映
『太陽』 を鑑賞してきた。 ...続きを見る
気ままな映画生活 −適当なコメントですが...
2016/05/13 12:31
太陽
 『太陽』を渋谷ユーロスペースで見ました。 ...続きを見る
映画的・絵画的・音楽的
2016/05/13 20:36

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