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zoom RSS 映画「風に立つライオン」@ニッショーホール

<<   作成日時 : 2015/03/14 18:10   >>

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 日テレさん主催の試写会だ。客入りはほぼ満席。客層は小さなお子さんから年配の方まで幅広い。

   

   映画の話
 アフリカ医療に尽力した医師シュバイツァーの自伝に感動し、医学の道を進んだ島田航一郎(大沢たかお)。ある日、彼は勤めている大学病院からケニアの研究施設へ派遣されることに。離島医療に励む婚約者・秋島貴子(真木よう子)と離れてケニアに渡った彼は、すぐさま現地の戦傷病院からの派遣要請を受ける。そこで目にした凄惨(せいさん)な環境に医師としての使命を感じ、同病院への転籍を決める。忙しい日々を送る状況で、ンドゥングという心と体に傷を負った少年兵と出会うが……。

   映画の感想
 いつもの様に、さだまさし原作、大沢たかお主演、アフリカを舞台にした作品、位の情報しか知らずに映画を鑑賞した。一見、実話風の作風であるが、実際はさだまさしが長崎に実在する医師をモチーフに、87年に発表した楽曲「風に立つライオン」を、さだの08年のステージにゲスト出演した大沢たかおから「映画化したい」直談判された事で、さだが改めて原作を執筆し13年に出版された作品を映画化した物だ。

 日本映画には昔から歌謡曲やヒット曲を題材した「歌謡映画」と言うジャンルが存在するが、その路線は脈々と現在の日本映画にも受け継がれて数々の映画が製作されている。そんな中、さだまさしの楽曲や原作小説は数多く映画化されている。過去にさかのぼると、さだの弟・繁理が主演を務めた「関白宣言」(79)、「精霊流し」(03)、大沢たかお主演「解夏」(04)、大沢たかお出演「眉山」(07)、「アントキノイノチ」(11)、「サクラサク」(14)がある。他にもさだの主題歌が印象的な「二百三高地」(80)や、さだが主演を務めた「翔べイカロスの翼」(80)、さだ自身が監督を務め、莫大な借金を作りだしたしまった自主製作ドキュメント映画「長江」(81)などがある。

 そして「風に立つライオン」が完成した訳であるが、クレジットには「企画・大沢たかお」と表記されている。話しはさかのほり、先に書いた08年のさだのステージにゲスト出演した際に、大沢の口から発せられたリップサービス的な言葉から歩き始めた企画は、いつしか本格的な企画となり、さだの原作執筆を経て、三池崇史監督により一本の映画として完成した。

   以下ネタバレ注意

 さて「作品はどうなのか?」となるわけであるが、極々普通の良い映画だ。かなり志の高い作品である事は理解するが、所詮は創作したドラマなので、地に足がついていない現実感の乏しさ感じた。原作は不明であるが、楽曲の歌詞を読むと、主人公がかつての恋人から貰った、結婚報告の手紙への返信文を拡大解釈して物語が創作されたようだ。映画と言う物は、元となる題材のどこを汲み取り、どこを広げるかにかかるとと思う。この歌詞には「千鳥ヶ淵の夜桜」や「100万羽のフラミンゴ」など、映像化すると効果的な描写と思われる箇所があるのに、そこをくみ取らなかった事がもったいない。

 そして、今回の映画は主人公の一人称の手紙をベースにしながら、手紙の相手となるかつての恋人・秋島(真木よう子)の人生と、島田が赴任したアフリカの病院で出会う、患者の子供たちや看護婦の和歌子(石原さとみ)らスタッフの心の交友と人間模様が描かれているのだが、島田と秋島を描くのに一杯一杯だったのか、和歌子のエピソードが添え物程度の扱いとなり、彼女の生き様が感動に繋がらなかった事が惜しい。

 作品は広大なアフリカの乾いた大地と、海と山に囲まれた長崎の風景を対比しながら、無駄のない的確な演出で安心して鑑賞出来るのだが、唯一疑問が残った事がある。現在の秋島や島田の同僚・青木(萩原聖人)に島田の話を聞く人物が登場する。その人物はカメラに映らず、一方的に秋島と青木と妻・聡子(藤沢文子)が語る訳であるが、あれは誰にしゃべっていたのだろうか?私は時系列を読むと、成長してアフリカから医師となったンドゥングが聞いていたと理解したが、真相がつかめずモヤモヤが残る。モヤモヤと言えば、島田の最期も釈然としない。現実的に描いてきたドラマが、最後の最期となりファンタジーに逃げてしまった事も釈然としない。この現実的な物語が唐突にファンタジーを塗してしまった事で、一貫性の無さに繋がり作品の評価を下げてしまった事も否めない。

 原作本
 

 「風に立つライオン」収録アルバム
 

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