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zoom RSS 映画「マウント・ナビ」@キネカ大森

<<   作成日時 : 2014/07/15 23:46   >>

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 「夏のホラー秘宝まつり」と称されたホラー映画の特集上映の一環で新作映画「マウント・ナビ」が上映された。平日の夕方。この劇場で一番大きいキネカ1には12〜13名位とかなりさみしい客入りだ。

      
   映画の話
   ホラー映画を撮影するために、不吉な山としてさまざまな言い伝えが残る中部地方の「なび山」へと向かった自主映画制作グループ。撮影を始める中、彼らは謎の飛行物体が空に浮遊しているのを目にする。その正体をつかもうと山の奥深くへと進むものの、絶対に人が入ってはならないとされる禁断の場所にたどり着いてしまう。それからしばらくして、山で男女8人の死体が複数のビデオカメラと共に発見される。そのビデオカメラには、恐ろしい惨劇の一部始終を捉えた映像が残されていた。

  映画の感想
 「8人の死亡事故が起こった山で発見された、ビデオカメラのHDDを復元し編集した映像」と言う設定のフェイク・ドキュメンタリー作品で上映時間は72分だ。いきなりオチが判りった状態でスタートし、冒頭には残酷シーンのハイライトを入れてしまった。これでは駄目である。設定の説明はOKであるが、ハイライトはNGであろう。

   以下ネタバレ注意

 設定はこうだ。前作の失敗でせっぱつまった監督が起死回生を望み、噂の心霊スポットに行きフェイクドキュメンタリー映画を撮影しようと、スタッフとキャストと共に「なび山」に入山する。山に到着した一行であるが、霊体質の女子は入山を拒否。入山しようとする一行にスコップを持ったおやしが近づき、監督に「入山するな」みたいな忠告を与えるが、無視して監督は一行を引き連れてなび山に入山をして映画撮影をスタートする。完全主義者の監督はキャストに何度もNGを出し険悪な状態となりながら撮影を続けると、山のふもとでUFOらしき未確認飛行物体を目撃し、撮影に成功する。テンションの上がった監督は急遽企画を変更して、「UFOを絡めたフェイクドキュメントを撮る」と言い出して、そのまま一行は山深く入り、次々と死の恐怖体験に遭遇する・・・。

 設定自体は非常に面白く、ホラーでスタートした映画撮影がUFO撮影に変わる意表突いた設定も面白い。しかし、その表現方法はかなり乱暴だ。まず、ろくに登場人物を説明しないで本編がスタートしてしまうので、キャストに感情移入がし辛い。特にプロ意識が強すぎて苛立つ監督の言動や行動は見ている観客が疲れる。異常事態が起こった後のクルーたちも怒鳴り合いが多く、観客のストレスがたまる一方である。「何か演出でもう一工夫出来ない物か」と私も心の中でついつい突っ込みを入れてしまう始末である。

 そして本作の鍵となるのがエイリアンだ。地球にやって来て女性をレイプして、妊娠させて子供を産ませる、日本映画史上最悪の極悪非道なエイリアンだ。このエイリアンは女性だけを求め、男は眼中が無いのか、捕まえては上半身と下半身を真っ二つにする凶暴な生物だ。いままで、このエイリアンがどの様に繁殖してきたかは不明であるが迷惑千万な輩である。このエイリアンの逆バージョンはスピーシーズ種の起源」(95)となるが、「スピーシーズ」は女性エイリアンのシルは美しい人間の姿で現れ、誘惑して男と交わるが、本作のエイリアンはおぞましい姿のまま、女子をレイプをするので怖いし滑稽だ。

 このエイリアンにレイプされた女子は仮死状態になり、蘇ったと思ったら口から異物を掃き出し、静脈が浮き出た白塗り状態となり、突然発狂した様に走り出し、最悪、男たちを殺そうと襲いかかる異常行動をする。洞穴で暴れ回る女の姿は、ちょっと「八つ墓村」の森美也子と重なる。そして、あっという間に妊婦の様に腹が膨れて出産する。その時間は多分半日位だと思われる。物語は冒頭に提示された通りに、救いようのない幕引きをする。

 冒頭からUFO出現までは中々興味をひかれたが、エイリアンが登場してからはテンションが激落ちした。如何にも一生懸命考えたデザインのエイリアンの造詣が作り物にしか見えなく、かなり露骨に見せてくれる。女性をレイプするシーンでは細長い生殖器までが見えている。レイプされている女優がかなりいい演技をしているのに、エイリンがあれでは駄目だ。

 もっと短いカットで繋ぐか、HDDの損傷で映像が乱れるなど、エイリアンの見せ方にもう一工夫が欲しい。更にダメを押しとばかりに、ラストでも下から仰いだカットや、真横のカットでエイリアンを長々と映していた事もマイナスだ。そのくせUFOは全然見せてくれない。非常にアンバランスな演出である。全体的な感想は「嫌な物を見た」と言う感じで、私と千葉誠治監督との相性が悪かったみたいだ。とりあえず好きなジャンルだけに監督の次回作に期待しよう。

追記140718「マウント・ナビ」上映最終日の舞台挨拶の模様写真
   
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『マウント・ナビ』をキネカ大森1で観て、素行の悪い映画マニアはゲラゲラ必見だぜふじき★★★★(ネタバ...
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『マウント・ナビ』をネタバレありで
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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
こんちは。TBどうもです。
エイリアンはお金かかってるらしいんですよ。映画制作費の「うん分の一」と濁して言ってました。だから、見せたいは見せたかったんでしょうねえ。でも、素早く動いてない時はヨロヨロしちゃってる感じで、そこは残念でした。
全体的には私はメタで見てしまって大笑いしてました(監督もエイリアンになって、あーゆーことやりたいんだろうなあ、みたいな)。
ふじき78
2014/07/16 23:48
ふしぎ78さんへ

ReTB&コメントありがとうございます。

エイリアンの見せ方はなるほどです。
せっかくお金をかけて作った物を見せたかったのですね。
私は「見えるか、見えないか」ギリギリの露出がベストqだと思うのです。
それにしても監督は相当な変態みたいですね。

私の見た回は上映中静まり返った状態でしたが、きっと初日とか舞台挨拶があった回は盛り上がったのでしょう、もっと早く見に行けばよかったです。
masala
2014/07/17 00:33

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