新・辛口映画館

アクセスカウンタ

zoom RSS 映画「ダイ・ハード/ラスト・デイ」@TOHOシネマズ川崎

<<   作成日時 : 2013/03/08 18:50   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 6 / コメント 0

 公開から3週間経った平日の夕方。このシネコンで2番目に大きいスクリーン6は観客20名弱位の閑散とした状態だ。スクリーンはデジタル上映の欠点となる、シネスコサイズで開いたままビスタサイズが上映という、余白のある画面に違和感を覚えながら鑑賞した。

   

   映画の話
 久しく会っていなかった息子ジャック(ジェイ・コートニー)がロシアでトラブルを起こした上に、ある裁判の証人となったと知らされた刑事ジョン・マクレーン(ブルース・ウィリス)。身柄を引き取りに現地を訪れた彼だが、そこでテロ事件に巻き込まれてしまう。相変わらずの運の悪さを呪いながらも、混乱状態に陥った状況下でジャックと再会するマクレーン。しかし、なぜか親子一緒に次期ロシア大統領候補の大物政治家、大富豪、軍人らが複雑に絡む陰謀の渦中へと引きずり込まれるハメになり……。

   映画の感想
 ロシアを舞台にマクレーン親子が謎の武装集団を殺しまくるトンでも作品だ。親子の行動はアメリカ側から見れば英雄であるが、ロシア側から見ると親子は立派なテロリストである。シリーズ第五弾にして舞台をマクレーンのアウェーとなるロシアとして、上映時間もたったの98分とコンパクトになり、今までのシリーズと比べるとスケールダウンしてしまったように感じた。

   以下ネタバレ注意

 物語は上映時間の関係か、冒頭から突っ走り気味で、状況設定や人物が矢継ぎ早に語られ、あっという間にマクレーンをロシアにぶっ飛ばししてしまうので、性急すぎる展開に観客は置いてきぼりを食らってしまう。それにしてもマクレーンの息子ジャックの突然の登場に観客は戸惑うしかない。たしか息子が出たのはシリーズ一作目で子供時代の写真だけだと思うが、いきなりあんなデカイ息子が現れて驚きである。それもロシアの犯罪者と思われた極悪息子の正体が実はCIAのスパイと言うのだから驚きも二倍である。ジャックはCIAの極秘任務で犯罪者となり、裁判にかけられる重要参考人を確保する為の作戦の一環で犯罪者となったことが判明し、極秘作戦中にジョンが登場した事で作戦は滅茶苦茶となりCIAも作戦から手を引き、マクレーン親子が孤軍奮闘して謎の武装集団と戦うという、ちょっと判りづらい物語である。

 「ダイ・ハード」シリーズを見てゆくと設定に二つのパターンがある。シリーズ1と2はマクレーンが孤軍奮闘してテロリストと戦うパターンだったのに対して、シリーズ3作目以降はマクレーンが一般人を相棒にしてテロリストと戦ってきたが、今回はマクレーンよりプロフェッショナルなCIAスパイとなった息子ジャックが相棒となりテロリストと戦うパターンで、親子揃って前のめり気味でテロリストと戦うので性質が悪い。マクレーンの相棒はやはりシリーズ4作目「4.0」に登場したハッカーのマット(ジャスティン・ロング)位が丁度良い。お互いが知恵を出し合い敵に立ち向かう姿は共感しやすかったが、本作は親子揃ってイケイケ状態なので共感度はイマイチである。息子役がもう少し可愛げのある役者が演じていたら面白かったと思う。

 そして本作は親子対決という構図になっている。物語には二組の親子が登場する。マクレーン親子と、彼ら共に行動をとるロシアの大富豪コマロフとその娘イリーナだ。物語中盤でイリーナの正体が明らかになり、クライマックスではコマロフの正体も明らかになり、二組の親子は敵対する関係となり、クライマックスには娘が父親のあだ討ちとばかりにマクレーン親子を襲撃する凄い展開となる。イリーナの正体が明らかになった後のシーンでは、マクレーン親子が敵に拘束されて絶体絶命となるシーンで、マクレーンの笑いから反撃に出るシリーズ1作目のオマージュ演出が心憎い。

 それにしても本作は無茶苦茶な作品である。物語はマクレーンの視点で描かれているが、これを逆にロシア側の視点で描くと二人のアメリカ人テロリストが起こした大犯罪映画となる。マクレーンがロシアに到着直後に始まる裁判所の襲撃事件にはじまり、一般道と高速道路では多大な被害をもたらす多重事故の数々、CIAの隠れ家となった建物は爆破に続き、戦闘ヘリからの攻撃、マクレーン親子が拘束されたホテルも沢山の死者をもたらす銃撃戦と建物破壊、最終的には廃炉となったチェルノブイリの大破壊と、たった一日でこれだけの事件が連発したのたがら、ロシア政府が黙っていないはずであるし、マクレーン親子に罪を擦り付けられてしまう恐れのある世界的に大事件である。

 物語を冷静に見てしまうとこんな野暮な見解となるが、本作はスピーディーな展開と、カーアクションや銃撃や爆破を基本とした怒涛のアクションに、様々な場所からの落下の連続に観客は飲み込まれてしまう。アメリカ本国では銃規制が声高らかに叫ばれる中に武装集団とはいえ、他国でこれだけの大量虐殺を行ったマクレーン親子の活躍を、本国の観客がどの様に見たか気になるが、私は大いに楽しんだ。

   音楽について
 「ダイ・ハード4.0」に引き続き、音楽を担当したのがマルコ・ベラトラミだ。彼はアクション映画を得意とした映画音楽の巨匠故・ジェリー・ゴールドスミスの弟子で、本作のジョン・ムーア監督とは「フライト・オブ・フェニックス、「オーメン666、「マックス・ペインと4度目のコラボ作品となる。「ダイ・ハード」シリーズ1〜3作目を担当し03年に亡くなったマイケル・ケイメンのスコアをベースに、聞き覚えのある数々のフレーズを上手く引用しながら、デジタルビートを駆使したスコアは聴き応え満点だった。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(6件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
ダイ・ハード / ラスト・デイ
ウワッ! ドヒャッ! ヒエ〜〜!父子で不死身公式サイト http://www.foxmovies.jp/diehard-lastday監督: ジョン・ムーア  「エネミー・ライン」 「マックス・ペイン ...続きを見る
風に吹かれて
2013/03/09 23:09
ダイ・ハード/ラスト・デイ
【A GOOD DAY TO DIE HARD】 2013/02/14公開 アメリカ 98分監督:ジョン・ムーア出演:ブルース・ウィリス、ジェイ・コートニー、セバスチャン・コッホ、ラシャ・ブコヴィッチ、コール・ハウザー、ユーリヤ・スニギル 運の悪さは、遺伝する。 [Story]久しく会っていな... ...続きを見る
新・映画鑑賞★日記・・・
2013/03/10 23:01
ダイ・ハード ラスト・デイ : ブルース・ウィリス大将、光ってますね
 プロ野球は、キャンプ真っ盛りですね。とはいえ、広島カープのように弱いのがど定番になると、ファンとはいえどうでもよい感じですよ。特に、監督がアレですから。ちなみに、本 ...続きを見る
こんな映画観たよ!-あらすじと感想-
2013/03/11 19:51
ダイ・ハード/ラスト・デイ ★★★★
世界中で絶大な人気を誇るアクション大作「ダイ・ハード」シリーズ第5弾。毎回信じられない大災難が降りかかる“世界一運の悪い男”ジョン・マクレーン。 ...続きを見る
パピとママ映画のblog
2013/03/19 22:19
ダイ・ハード/ラスト・デイ
ジョン・マクレーンに息子なんていたっけ?と、まず思った作品でした。過去作見直してみないとわからないなあ。そんな設定あったのか。「アウトロー」で敵役だった青年です。 1989年 高層ビル、1990年 空港、1995年 ニューヨーク、2007年 アメリカ全土、そして今度は海外。こう考えると限定された場所というよりは次第に舞台も広がっていたんだなあ。 息子は実はCIA職員。重大な任務を帯びてモスクワで事件を起こした…はずが、父ちゃんのせいで台無し!というパターンです。 カーチェイスシーン... ...続きを見る
いやいやえん
2013/07/06 09:10
ダイ・ハード/ラスト・デイ
A GOOD DAY TO DIE HARD 2012年 アメリカ 98分 アクション/サスペンス PG12 劇場公開(2013/02/14) ...続きを見る
銀幕大帝α
2013/07/06 13:25

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
映画「ダイ・ハード/ラスト・デイ」@TOHOシネマズ川崎 新・辛口映画館/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる