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zoom RSS 映画「ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館」@チネチッタ

<<   作成日時 : 2012/11/05 22:55   >>

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 川崎市、秋の恒例イベント「カワサキハロウィン」の一環で上映された試写会で鑑賞した。会場となったチネ10は、スクリーン前2列以外は満席である。

 

  映画の話
 19世紀末のイギリス。ロンドンで弁護士として働くアーサー・キップス(ダニエル・ラドクリフ)は、4年前の妻の死を引きずっていた。そんな彼に、弁護士事務所の上司は田舎町クライシン・ギフォードへの出張を命じる。課せられた仕事の内容は、同地に建つイールマーシュの館へ赴き、亡くなった家主であるアリス・ドラブロウ夫人の遺書を見つけ出すというものだった。やがて、アーサーは黒衣をまとった女が周囲の森や窓辺に出現するのを目にするようになり、館の恐ろしい歴史と町の子どもたちが次々と怪死している事実を知る。

   映画の感想
 50〜70年代に「吸血鬼ドラキュラ」、「フランケンシュタインの逆襲」、「恐竜100万年」などを送り出したホラーレーベルの名門“ハマー・フィルム”が、「モールス」(10年)に続き制作したゴシックホラーと聞き期待したが、雰囲気重視の古臭く、こけ脅しの演出だけの単調な作品でガックリである。最新のホラー作品を見慣れた観客には、かなりの物足りなさを感じるであろう。

 まず、本作のダメなところは物語の背景を殆どセリフで説明するので、ストーリーが頭に入ってこない。上手い監督であれば、回想シーンを使い観客に映像として説明してくれるが、本作のジェームズ・ワトキンス監督はセリフ重視で物語を語る私の苦手な作風である。

 さて、本作の見所といえば「ハリー・ポッター」シリーズで主役を務めたダニエル・ラドクリフが、「ハリー・ポッター」シリーズ終了後の初主演作である。今回は子役上がりというイメージを払拭するかのごとく、トレードマークのメガネを外し、妻と死別した無精髭姿の子持ち男役である。そんなラドクリフに対する観客のイメージを払拭するために、ラドクリフのファーストカットでは、子供の声で「ダディ」と父親を呼ぶシーンで観客は「はっ」とさせられる。もうラドクリフも子役上がりではなく立派な大人の俳優である。

   以下ネタバレ注意

 物語は妻を亡くした上に、家の家賃も滞納する生活が続く、失意のどん底の弁護士アーサーに仕事が舞い込む。「田舎町で亡くなったドラブロウ夫人の屋敷で、夫人の遺書を探しだす」という仕事である。アーサーは自宅に息子を残し、ロンドンから一人で列車に乗り、田舎町で夫人の屋敷で恐怖体験をするという物語で、一見シンプルなストーリーのようであるが、そこに田舎町で起こる子供の怪死事件が絡む二層構造なのだ。

 夫人の屋敷は沼沢地の島に立地し、引き潮時にしか町と繋がる道が無い孤島状態という、フランスのモン・サン・ミッシェルのような場所に立地していて、一度屋敷に入ると引き潮になるまで町に帰れない設定がされている事がミソである。アーサーは田舎町で世話になっているデイリー氏の愛犬と共に、屋敷内で一夜を過ごす訳だが、屋敷で起こるホラー現象は殆どがこけ脅しで、どこかジャパニーズホラーの影響を感じる。

 誰もいないはずの夫人の部屋から聞こえる「ゴトン、ゴトン」という異音は、「呪怨」シリーズの首吊り死体が壁に当たる音の演出に似ている。音の正体は夫人が愛用していたロッキングチェアが、勝手に激しく動いている拍子抜けの演出であったり、所々で黒衣の女の霊が「ドカン」とデカイ音で現れたりで、ホラー作品を見慣れた観客には通用しないスタンダートな演出ばかりでつまらない。

 物語は紆余曲折をしながら、アーサーが黒衣の女が現れる原因となる息子の死を突き止め、女霊を鎮めるために沼地に沈み死んでしまった息子の亡骸を引き上げ、成仏させるという「リング」のような展開となるが、ラストがとんでも無いことになってしまう。一見、バッドエンディングであるが、よくよく考えると主人公にとっては亡き妻の元に行けたのでハッピーエンドとなるだろう。全体的にダメな映画であるが幕引きだけは良い。

 本作の失敗は物語の鍵となる黒衣の女のバックボーンを掘り下げなかった為に、話に深みが出なかった事だと思う。この辺はジャパニーズホラー「リング」貞子「呪怨」伽椰子のように、ホラーキャラが立ちまくる位にキャラの掘り下げが必要であった。私が勝手に期待した分、落胆は大きい。

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2013/06/10 08:48

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