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zoom RSS 映画「ファイナル・ジャッジメント」@109シネマズ川崎

<<   作成日時 : 2012/06/09 14:30   >>

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 公開から4日目の平日昼間。上映館のシアター4には30名弱くらいの寂しい客入りだ。本作の画面サイズはビスタなのだが、何故か予告編用に使ったシネスコサイズのまま、ビスタ作品を上映する一流劇場とは思えない怠慢ぶりである。
  
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 映画の話
 アジアの大国、オウランの軍事的拡張を脅威に感じた26歳の青年、鷲尾正悟(三浦孝太)は、2009年の衆議院議員選挙に立候補するも落選。しかしそれから数年後、正悟の予測は的中し、日本はオウランに占領され、言論や信教の自由が弾圧される事態に。正悟は地下組織「ROLE」に参加し、信仰者をかくまうべく奔走するが……。

 映画の感想
 宗教団体が思い描く理想を映像化した作品だけに、一般の目から見ると現実味は非常に薄い。物語は架空のアジアの大国・オウランに占領された日本を舞台に、日本を救うために立ち上がった主人公の姿が描かれる。ポスターやチラシのイメージからは渋谷での激しい戦闘シーンがあるように見えるが、そんなシーンは無い。

 渋谷の上空を中心に沢山の軍用ヘリや戦闘機が来襲するインパクトのあるショットがあるものの、あっという間に日本はオウランに占領されてしまう。これでは駄目である。いかにしてオウラン軍が日本の軍隊や警察を制圧したかの描写が必要である。オウランに制圧された日本の各地にはトップ、ラオ・ポルト宍戸錠)が「日本を占拠した」というメッセージ放送が流れるが、これもオウラン軍が放送局を制圧し占拠する描写が欲しい。占領された日本では思想も、言論も、経済もオウランの統制下に置かれ、人々は地下へと潜る。日本を占拠するアジアの大国オウランは多分、北朝鮮を隠喩的に表現したものだろう。

 物語の視点は主人公・鷲尾正吾と未来維新党のメンバーを中心とした描き方なので、日本が占拠された大事を描いているのに、話のスケールは非常に小さい。もっとグローバルな視点で描かないと一般観客は納得しない。物語の中盤辺りまでは宗教の匂いを感じるものの、危ういバランスを保って展開してきたドラマであるが、地下に潜った人々がキリスト教や仏教など全ての宗教を統括した「ROLE」と言う組織が現れてから、どんどんきな臭くなってくる。

  以下ネタばれ注意

 結局、幸福の科学が言いたい事は「ROLE」に全て集約されているのだろう。世界がピンチになった時に、宗教の違いで争うのではなく、キリストのような救世主が現れ、皆が一つの宗教になり困難に立ち向かう。その役目を幸福の科学が担うと言う宣言がこめられた作品なのだろう。

 かなり平坦な仕上がりな作品であるが、いくつか面白いシーンがあった。主人公が八正道に導かれ、悟りを開くために瞑想していると、死んだはずの父が目の前に現れ主人公を諭す。父親の正体は実は悪魔なのだが、鷲尾哲山を演じた並木史朗の怪演は特筆する。並木は短い出演ながら、他の素人役者と格の違う存在感を見せ付ける。

 そして、作品の象徴となる渋谷駅前スクランブル交差点の撮影は圧巻だ。これは福島県いわき市に復興支援の為に渋谷駅前をオープンセットで再現し、そこにCG合成を加えデコレーションしたと思われる。微妙に違和感があるものの渋谷駅前にしか見えない。馴染みの建造物はオウランによって手が加えられ、中国風やロシア風な装飾がされている。そんな占拠された渋谷の町並みをオウラン軍が行進したりするシーンは「お〜っ!」と心の中で叫んでしまった。クライマックスも渋谷駅前スクランブル交差点を大々的にフィーチャーし、救命主となった正吾の姿が感動的に描かれる。 

 ラスト、主人公の親友・憲三がオウラン軍との戦いで命を落とし、半透明な霊体となり正吾の横に立つショットは「スター・ウォーズ」の死んだジェダイ騎士の様な描写であるが、不覚にもホロっときてしまった。幕引きも言いたい事を言ったら、スパッとフェードアウトする潔い所は良い。しかし、本作は信者さん向けの作品なので、一般観客を納得させるレベルにまで達していない所が残念だ。そんな中、渋谷駅前を再現したシーンだけは一見の価値があった。現代の風景のまま2025年と言い張る「宇宙兄弟」のスタッフも本作を見習って欲しい。

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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんは。
会員の人たちは、民○党が日本を中国に売り飛ばすと考えているので、あれは無血で、何の抵抗もなかったものと思われます。民友党の手引きで、ほとんどの中枢部に入り込んでいるという位置づけでないかと。
バラサ☆バラサ
2012/06/19 03:13

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