新・辛口映画館

アクセスカウンタ

zoom RSS 映画「親愛なるきみへ」@有楽町朝日ホール

<<   作成日時 : 2011/09/17 18:05   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 15 / コメント 2

 試写会の主権はカルピスさん、後援はムービープラスさん、客入りは7〜8割くらい、藤本えみりさんの前説があって映画が上映された。

   

    映画の話
 2週間だけの休暇ではあったが、故郷に帰ってきた軍人のジョン(チャニング・テイタム)は、ある日、海に落ちたバッグを拾ったことがきっかけで、その地を訪れていた大学生サヴァナ(アマンダ・セイフライド)と知り合う。ほどなく彼らは深く愛し合うが、サヴァナは大学、ジョンは任地へ戻らなければならなかった。その後、手紙で連絡を取り合っていた彼らに、アメリカ同時多発テロが起こり……。

 映画の感想
 物語自体はベタな恋愛ものであるが、ラッセ・ハルストレム監督作品だけに丁寧な演出に好感を持った。物語は主人公サヴァナとジョンの出会いから描かれる。サヴァナの落としたバックを海から拾い上げたジョンはお礼にバーベキューパーティーに招かれる。ここでサヴァナの友人や、サヴァナの父親がわりの男ティムが紹介されるのだが、ティムを演じるのは「E.T.」で主人公の少年エリオットを演じたヘンリー・トーマスである。すっかり大人になりひげ面で一瞬判り辛いが、あの彼らしいつりあがった目を見て判った。ティムの息子は知的障害を伴わない自閉症という設定は、ハルストレム監督「ギルバート・グレイブ」のレオナルド・ディカプリオの役と似ている。冒頭に登場するサヴァナの人間関係は後々大事なポイントとなるので言動や行動に注目してほしい。そして二人はあっという間に急接近し、恋人関係になる。

   以下ネタばれ注意

 時代設定は2001年。当時、世界的に携帯電話がどの位普及していたかは不明であるが、本作で恋人同士の通信手段は手紙である。その理由はジョンが特殊部隊に所属する軍人で駐屯地を転々としたいる為かと思われるが、本作は利便性の高い携帯電話ではなく、手紙という小道具が物語を牽引し、手紙の大切さを思い出させてくれる。そして、もうひとつの小道具がコインだ。少年時代のジョンと父親とを繋げるコミュニケーションツールであり、親子二人共通の趣味がコイン収集だ。コインも所々に物語に絡み膨らませる。ジョンの父親を演じるのは「扉をたたく人」のリチャード・ジェンキンスだ。父親とジョンは二人暮らしで、息子の留守中に父親が没頭するのがコインのコレクションを眺めることで、孤独で寂しい老人像をジェンキンスがうまく体現する。そして、もうひとつの小道具が料理だ。父親は料理が得意でラザニアやミートローフ作り来客に振舞う。この料理もうまく物語のポイントとなり、感情を表に見せない父親が息子の恋人の存在を喜び歓迎している感情表現を料理が代弁してくれている。物語は2001年に発生した9.11アメリカ同時多発テロ事件で、恋人二人の関係に変化が起こる。世界各国に駐屯しアメリカに帰れないジョンとアメリカに残るサヴァナ、ジョンと会えないサヴァナに心の変化が生じる。

 しっとりと丁寧かつ繊細な演出はハルストレム監督ならではのものだろう。ハルストレム監督作品が好きな方にはとても満足度が高い作品になるだろう。主人公が軍人という事で、ハルストレム監督作品でもたぶん初となる戦闘シーンも用意され、「G.I.ジョー」でも兵隊だったチャニング・テイタムが再び軍人役として活躍する。「マンマ・ミーア!」のサマンサ・サイフリッドも歌を歌うシーンで素晴らしい歌声を披露していて、作り手が適材適所に上手くキャスティングをし、演者の良いところを引き出しているのにも好感をもった。ただ、一点だけ納得出来なかったのが、病院の父親がかなり具合が悪そうだったのに、病室から廊下にベッドが移されていたのが判らなかった。まぁ、それでも私の苦手な恋愛映画であったがハルストレム監督だけに良く出来ている。ラストの幕引きもダラダラと説明的演出ではなく、観客の想像にゆだねて「サッ」と幕を引く、私の好きな上手い幕引きで満足した。


 映画「親愛なるきみへ」関連商品
 
親愛なるきみへ (ソフトバンク文庫)
ソフトバンククリエイティブ
ニコラス・スパークス

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 親愛なるきみへ (ソフトバンク文庫) の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル


テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(15件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
親愛なるきみへ
2週間の休暇で故郷に戻った特殊部隊のジョンと偶然出逢った女子大生サヴァナは一目惚れ。しかしお互いの休暇が終わると2人は遠距離恋愛となる。手紙で愛を確かめ合う2人だったが、その前にアメリカ同時多発テロが起こり…。主演は『G.I.ジョー』のチャニング・テイタムと『赤ずきん』のアマンダ・セイフライド。『ギルバート・グレイプ』のラッセ・ハルストレムが監督を務める。 ...続きを見る
LOVE Cinemas 調布
2011/09/17 18:45
親愛なるきみへ
優しさを秘めた強い彼と強さを秘めた優しい彼女 公式サイト。原題:Dear John。原作はニコラス・スパークス「きみを想う夜空に」、ラッセ・ハルストレム監督、チャニング・テイタム ... ...続きを見る
佐藤秀の徒然幻視録
2011/09/24 20:25
親愛なるきみへ
恋のときめき、愛の痛み。 その2週間は、永遠になった。 原題 DEAR JOHN 製作年度 2010年 上映時間 108分 原作 ニコラス・スパークス『きみを想う夜空に』(エクスナレッジ刊) 脚本 ジェイミー・リンデン 監督 ラッセ・ハルストレム 出演 チャニング・テイタム/アマン... ...続きを見る
to Heart
2011/09/25 02:35
親愛なるきみへ
「きみに読む物語」の原作者ニコラス・スパークの小説『きみを想う夜空に』を、「HACHI 約束の犬」のラッセ・ハルストレム監督が映画化。帰省中の故郷で恋に落ちた米軍兵士と女子大 ... ...続きを見る
パピ子と一緒にケ・セ・ラ・セラ
2011/09/29 17:32
『親愛なるきみへ』
'11.09.18 『親愛なるきみへ』(試写会)@赤坂区民センター ...続きを見る
・*・ etoile ・*・
2011/10/02 02:27
同じ月を見ている〜『親愛なるきみへ』
 DEAR JOHN ...続きを見る
真紅のthinkingdays
2011/10/03 17:30
不完全燃焼の恋の行方。『親愛なるきみへ』
米軍特殊部隊に所属する青年と女子大生のラブストーリーです。 ...続きを見る
水曜日のシネマ日記
2011/10/04 21:56
親愛なるきみへ
『親愛なるきみへ』8月22日@某所。 ずいぶん前に観たが、公開はまだまだ先だ。 試写会もたくさんあったのにあまり盛り上がってないのでは? ...続きを見る
あーうぃ だにぇっと
2011/10/05 05:37
親愛なるきみへ☆DEAR JOHN
恋のときめき、愛の痛み。その2週間は、永遠になった。 評価:+5&amp;rarr;45点 MOVX京都にて鑑賞。 「ショコラ」、「サイダー・ハウスルール」、そしてデップ&デカプリオの名作「ギルバート・グレイプ」でお馴染のラッセ・ハルストレム監督作品。どれも好きだっ... ...続きを見る
銅版画制作の日々
2011/10/05 11:07
親愛なるきみへ
2001年春、休暇で帰郷した特殊部隊の兵士ジョン(チャニング・テイタム)は、サヴァナ(アマンダ・セイフライド)と知り合い恋に落ちる。 2週間後、赴任地へ旅立ったジョンと大学が始まったサヴァナは、手... ...続きを見る
心のままに映画の風景
2011/10/05 23:12
親愛なるきみへ
 『親愛なるきみへ』をTOHOシネマズシャンテで見ました。 ...続きを見る
映画的・絵画的・音楽的
2011/10/08 06:29
親愛なるきみへ
親愛なるきみへ ★★☆☆☆(★2つ) ...続きを見る
食はすべての源なり。
2011/10/09 10:19
親愛なるきみへ
2011年10月9日(日) 18:50〜 TOHOシネマズ川崎8 料金:0円(フリーパス) パンフレット:未確認 『親愛なるきみへ』公式サイト TOHOシネマズのフリーパスポート鑑賞。21本目。 戦争(この場合、911以降)が引き裂く男女の話だが、戦死するのかと勝手に思っていたら、女が寂しさに耐えかねて他の男に走るという話だった。 と、少しガッカリしていたら、実はそこには深い訳があり、何と終わり方は「ラヴソング」を思い起こさせるものだったので、結果として満足だ。 アマンダ・サイフリッド... ...続きを見る
ダイターンクラッシュ!!
2011/10/10 12:27
映画『親愛なるきみへ』を観て
11-63.親愛なるきみへ■原題:Dear John■製作年・国:2010年、アメリカ■上映時間:108分■字幕:尾形由美■鑑賞日:10月10日、新宿ピカデリー(新宿)■料金:1,800円 □監督:ラッセ・ハルストレム□脚本・共同製作:ジェイミー・リンデン□原作:ニコラス・ス... ...続きを見る
kintyre&#039;s Diary...
2011/11/27 18:38
親愛なるきみへ
チャイニング・テイタム&アマンダ・セイフライドさん共演です。 米軍の特殊部隊に所属するジョンと女子大生のサヴァナ。二人の恋は手紙というやり取りで発展していく。しかし、同時多発テロが起こり、時勢によって二人は引き裂かれてしまう…というお話。 たった2週間と18時間の恋。切ない話なんですけど、しかし後半に二人を引き裂いたのはヒロインの行動からだったことがわかってしまい、ちょっと微妙な気持ちになってしまいました、共感しづらい展開になっちゃって。やはり遠距離は難しいってのが答えなのかもしれな... ...続きを見る
いやいやえん
2013/02/03 07:46

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
いまいち評判が良くないですよね。
シャンテでの公開も、客が入っていないのか、上映回数短縮。

でも、わたしは結構気に入りましたよ。
何かピーター・チャンの「ラヴソング」みたいで。全然似てないけど!?
バラサ☆バラサ
2011/10/11 02:11
なんか本作はかわいそうな扱いになってしまいましたね。
「ラヴソング」は未見なので機会があったら見てみます、情報ありがとうございます。
masala
2011/10/11 19:30

コメントする help

ニックネーム
本 文
映画「親愛なるきみへ」@有楽町朝日ホール 新・辛口映画館/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる