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zoom RSS 映画「マイ・バック・ページ」@よみうりホール

<<   作成日時 : 2011/05/21 19:01   >>

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 試写会の客入りは9割くらい、妻夫木×マツケン共演作だからなのか女性客が多い。

   
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映画の話
 全共闘運動が最も激しかった1960年代後半、週刊誌編集部で働く記者・沢田(妻夫木 聡)は、理想に燃えながら日々活動家たちの取材を続けていた。ある日、梅山と名乗る男(松山ケンイチ)から接触を受けた沢田は、武装決起するという梅山の言葉を疑いながらも、不思議な親近感と同時代感を覚えてしまう。


 映画の感想
 とても見ごたえのある濃密で硬派な社会派ドラマである。私は基本的に映画は予備知識なしで見るのがベストと考えているが、本作に限っては映画の時代背景を予習する事をお勧めする。そして、本作の原作者で主人公のモデルとなった川本三郎氏についても知っていた方が楽しめるだろう。間違っても「妻夫木×マツケン共演作だから」なんて軽いミーハー気分の観客にはお勧めしない。映画の時代設定は激しく時代が変化していった1969〜1972年をメインに、雑誌記者として野心を燃やす沢田と、学生活動家の梅山が出会った事で思わぬ方向に事態が動き出すさまが描かれる。

   以下ネタばれ注意 

 まず、本作は時代に取り残された二人の主人公がざっと描かれタイトルになるのだが、このタイトルバックが秀逸である。何も無い西新宿に建築中の京王プラザビルが映し出された瞬間に私は本作のやる気を感じ取った。建築中の京王プラザホテルといえば、70年代初頭のシンボルみたいなもので、今で言う東京スカイツリーみたいな存在だ。70年代初頭の東映不良番長」シリーズ、「キイハンター」なんぞは毎度のように、この京王プラザホテル周辺がロケ地に使われ映像として記録されている。そんな時代のシンボルをタイトルバックに選んだ山下敦弘監督のセンスにしびれる。

 映画は雑誌記者としてもう一旗上げたい沢田と、口の立つだけの思想犯的活動家・梅山、お互いが相手を利用して次のステップを目論む。しかし、沢田は記者という立場を逸脱し取材相手と親密になりすぎてしまい墓穴を掘ってしまう。逆に梅山は一流新聞系雑誌記者とパイプを持った事で思想犯から、実際に事件を起こす政治犯へと変貌を遂げる。梅山を演じるのは松山ケンイチだ。彼は作品により人格を変えるカメレオンタイプの役者で、本作ではねっちりと相手と討論したと思うと、沢田と気さくに「CCR/雨を見たかい」をギターを弾きうたい親密になり、実はいい人?と観客に思わせる好青年になったり、自分の手を汚さない冷酷な活動家気取りの若者を上手く体現している。

 沢田と梅山の関係を見ていると、ちょっとアメリカとアルカイダの関係を思わせる。支援した相手がいつの間にか強大な力をつけて支援した相手の足を引っ張り、自身も痛いしっぺ返しを喰らってしまう。いつの時代も相手を利用するもの、利用されるものの誤算はつきまとうものだ。

 私は本作をいつも通りに予備知識無しで見た訳だが、エンドロールで原作/川本三郎と表示された瞬間に、映画の中で描かれた主人公の行動が全てリンクした。川本氏はキネマ旬報でおなじみの映画評論家だ。私は毎年恒例のキネマ旬報ベストテン授賞式で何度か川本氏のお姿を拝見している。映画の中で主人公は映画館で夜明かしをし、自身が担当する雑誌の表紙モデルとデートで映画を見に行くシーンが出てきたり、「ファイブ・イージー・ピーセス」、「真夜中のカーボーイ」の登場人物の行動が引用され、その台詞はラストの伏線だったりと、映画ファンにんまりの隠し味も上手い。映画館のシーンでは有楽町スバル座のロビーを再現したシーンもあり、作り手のこだわりを感じる。沢田の現在(ここだけ時代は明かされない)の職業が「十九歳の地図」(79年)マスコミ試写のシーンで明かされるが、このシーンは一般の方にはちょっとわかりづらいかもしれない。ラストの沢田は突然「涙そうそう」の“ニイニ”になってしまうのはご愛嬌である。←【追記】一部、私の発言に誤解をしている方が居るので補足します。ここは妻夫木聡の演技力を書いているだけで、うさぎ売りの潜入取材時の元相方さんのつつましい幸せと、主人公の歩んだ人生を説明的な描写を省き、役者の演技と会話だけで対比する幕引き演出は非常に上手い。

 本作の良い所は女がでしゃばってこないのがポイントであろう。70年代の邦画を見ると判るが、まだ当時の映画は女性は添え物のように扱われ男がメインで描かれてきた。本作は正に昭和の香りを感じる男の映画であり、女性に媚を売りすぎて軟弱になってしまった現在の邦画の中では異彩を放つ作品だ。それから、この時代に生まれていない76年生まれの山下監督が本作を作り上げたのだから驚きである。本作は間違いなく2011年を代表する一本となるだろう。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
>ラストの沢田は突然「涙そうそう」の“ニイニ”になってしまうのはご愛嬌である。

馬鹿すぎる。あまりにも頭の悪い感想をよくも世間にさらせたものだ。
こんなのでレビューを名乗るなよ。
あのラストがすべてであり、あのカットに込められたテーマがわからなかったのか。
それまで2時間余何見てたんだ?
粉川哲夫氏のレビューでも読んで反省しろ。
ねこ
2011/05/21 21:01
ねこさんへ

そう見えたので仕方が無いというか、妻夫木の演技の幅の狭さを遠まわし愚痴っただけです。
ラストショットは理解しています。
ところで君はどんな感想をお持ちですか?
私は砂川氏より君の感想が知りたい、ブログをお持ちならURLを教えて欲しい。
masala
2011/05/22 00:06

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