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zoom RSS 「イングロリアス・バスターズ」@東京国際フォーラム ホールA

<<   作成日時 : 2009/11/07 14:09   >>

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当日はジャパン・プレミア試写会と言う事で映画上映前に、クエンティン・タランティーノ監督、出演者のブラッド・ピット、メラニー・ロラン、ジュリー・ドリュフェスの舞台挨拶があって映画が上映された。タランティーノはサニー千葉千葉真一)から貰ったと言う侍風のスーツで登壇し上機嫌に喋りまくる。
 
 
イングロリアス・バスターズ オリジナル・サウンドトラック
ワーナーミュージック・ジャパン
2009-11-11
サントラ

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 映画の話
 1941年、ナチス占領下のフランスの田舎町で、家族を虐殺されたユダヤ人のショシャナ(メラニー・ロラン)はランダ大佐(クリストフ・ヴァルツ)の追跡を逃れる。一方、“イングロリアス・バスターズ”と呼ばれるレイン中尉(ブラッド・ピット)率いる連合軍の極秘部隊は、次々とナチス兵を血祭りにあげていた。やがて彼らはパリでの作戦を実行に移す。

 映画の感想
 タランティーノ監督は前作「デス・プルーフ」で毒を吐ききったのか、一皮向けて大人になった監督は更に作風を進化させ会話によるサスペンスで魅せる。それもタランティーノ初の戦争歴史物である。しかし、タランティーノがただの戦争映画を作るわけが無い。まず本作は戦争を舞台にしているが戦争のシーンは無い。(劇中劇の戦争映画の中だけ戦闘シーンがある)映画はナチ占領下に置かれたフランスを舞台に、ナチに両親を虐殺された少女の復讐劇と並行して、「ナチ撲滅」と言う任務を与えられた連合軍特殊部隊“イングロリアス・バスターズ”の活動が描かれる。映画はチャプター1〜5と1章節ずつが独立した形で描かれ、最終的にはそれぞれの章が融合して大団円を迎える形がとられている。
 
 以下ネタばれ注意

 チャプター1
 ユダヤ人一家を匿う家族の父と“ユダヤ・ハンター”と異名を持つランダ大佐との会話による密室劇がサスペンスフルに描かれる。タランティーノは無駄な演出を省き、二人の俳優だけの会話で観客の心を真綿を締めるようにジリジリと締め上げる。本作の主役は表向きはブラッド・ピットであるが、裏の主役はランダ大佐を演じたクリストフ・ヴァルツであろう。多国語を操り、柔らかい物腰ながら相手の痛いところ突き、いざとなれば自ら制裁を加える冷酷で残忍なキャラクターが秀逸である。

 チャプター2
 バスターズがナチ狩りをした直後のシーンが描かれる。インディアンが仕留めた相手の頭の皮を剥ぐ行為とまったく同じ行為をバスターズが行っているのに思わず絶句してしまう。オープニングが緊迫した描写であったので、この章は割りとガス抜き的な役回りなのだろうが、最終的にはタランティーノならではの残酷描写が待っている。

 チャプター3
 命からがらランダ大佐の虐殺から逃れたショシャナが少女から大人になり、映画館経営をしながらナチへの報復を目論んでいる。そんなショシャナはナチの英雄と知り合い、ある依頼を受けて計画を実践に変えようとしていた。

 チャプター4
 ドイツ人気女優で二重スパイのブリジットはバスターズの一員とバーで合流しているテーブルに、ナチスの一員が割り込んできた事で悲劇が起こる。この章もタランティーノの会話によるサスペンスが光る構成で、オチに関してはタランティーノが「レザボア・ドッグス」の時から傾倒するジョン・ウー譲りの銃の向け合い(メキシカン・スタンドオフ)の発展形が見られる。

 チャプター5
 ショシャナの映画館で新作映画のプレミア上映が行われ、ヒトラーや高官が映画館に集結する絶好のタイミングが訪れる。ショシャナとバスターズはそれぞれの思惑を胸に秘め計画を実行しようとしていた・・・。

 映画は今までの俺流は影を潜め、監督&脚本家として腕を磨き抑制された会話によるサスペンスが光る。物語の趣旨は今年公開の「ワルキューレ」とも共通するもので、真面目に史実を映像化したブライアン・シンガー監督に対して、ifと言うキーワードを膨らませたパラレルワールドで物語を展開させたタランティーノの独創的な世界観が光る。キャラクターの掘り下げも上手く、ランダ大佐はタランティーノが作り出したキャラの中でも1、2を争う位のヒールキャラであろう。役者の組み合わせでもブラピと「トロイ」で共演したダイアン・クルーガーを配していたり、タランティーノ独特のキャスティングも面白い。

 映画の中でバスターズの捕虜となり解放するナチの額に、ブラピ演じるレイン中尉がナチのシンボルであるカギ十字をナイフで切りつけて刻印をするのだが、その姿を見た部下が「中尉も上手くなりましたねぇ」と誉めると、中尉は「練習する事で上手くなる」と返答している。この言葉は正に監督としてのタランティーノを客観的に表現しているようで、自分の作品作りに対しての自己評価の様に聞こえた。映画の最後にレイン中尉が発する「最高傑作だ」と言う言葉がタランティーノの映画に対しての自信の表れの様に聞こえてしまった。










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